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第三話 時を動かす少年少女 ( No.15 )
日時: 2012/11/23 18:41
名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: yIVvsUU5)

第三話 時を動かす少年少女

「六千二百十四年前、私達の時間は止まりました」

静かで、三人の話す音以外は何も聞こえなかった。
否、もし周りが騒がしかったとしても、今の唯香の耳には届かないと思うが。
「止まった? 今私達が過ごしている時間は?」

「繰り返されている時間です。毎回、一定の時間が経てばリセットされ、最初に戻る。ですから正確に言えば、六千二百年前とは言いませんね」

「その一定の時間が、君の生きている時間だよ。わかる?」
「なんとかわかるよ」

「なんで君が選ばれたのかは、知らないけどねえ。偶然だと思うよ?」
笑いながら、どうでもよさそうに樹は言う。無表情で話す紫苑とは対照的だった。

「偶然って……、なんでこの時間が繰り返されてるの?」
「わからないね」

「ここまでは、樹様の力を使って調べたものです。今のところこれ以上の情報はありません」

「そう。でね?君にも協力してほしいんだ。お願いできるかな?」
「……いいよ」
その答えがわかっていたかのように、目の前の少年は笑う。

「よろしく。転生少女」