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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第一話 必然的なこの出会いを ( No.3 )
- 日時: 2012/10/07 16:25
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: d.3c/y7H)
第一話 必然なこの出会いを
「ねえ」
声をかけられて振り向けば、そこにいた少女。
なびく髪は、綺麗な金色。
目は、赤と黄色のオッドアイ。
……一瞬見とれてしまった。
「こんにちは。私は、椎名唯香。よろしくね」
目の前の少女は、綺麗に笑った。
その笑顔を、見たことがあるような、そんな気が一瞬した。
「……はじめまして。俺は神崎透」
そう返しただけだったのだが、その少女は酷く悲しそうな顔をした。
どうしたのか、と聞けば、「なんでもない」とまた笑顔で返された。
「神崎君、約束してくれる?」
会ってから数分だと言うのに、目の前の少女はそう言った。
「何を?」
「今度から、私に『はじめまして』を言わないで」
「は? 一回会ってるのに、はじめましてなんて言うわけないだろ」
少年は、少女の言っていることの意味がわからなかった。
少女の言う、『今度』が何を指すのかも。
「じゃあ、約束しよう」
出された小指に、指を絡める。そして、歌を歌う。
「嘘ついたら針千本、飲ますからね!」
と、無邪気に笑うと、指を話す。
これが少年の、少女との出会い。
そして、少女にとっての再会。
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