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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第二話 転生少女 ( No.6 )
- 日時: 2012/11/23 18:38
- 名前: にゅるあ ◆6YRzs3gfaA (ID: yIVvsUU5)
「お前は、俺じゃない俺を見てることがないか?」
「……え?」
君の言った言葉に、私は固まった。
「思い出した、の?」
「え、何をだよ」
「……ん、なんでもないよ。何、俺じゃない俺って」
「いや、なんかさ」
言葉を詰まらせる君を見て、思い出しかけているのかと思った。早く思い出してほしい。
一人の私を、助け出してほしい。
「神崎君を見てるよ? 私は。違う神崎君って何ー?」
馬鹿にするように、笑う。
「……なんでもねえよ。俺さ」
「んー?」
長い沈黙。言うことをためらっているようで、また俯く。
「もー、何? さっさと言いなよー」
何かを決めたような表情で、神崎君はこちらを見た。
今にも動き出しそうな口元を見つめる。
ああ、前も、その前もこんな感じだっけ。
これから言う、君の言葉が想像できてしまうのが悲しく感じた。
「唯香が、好きなんだ」
やっぱりなあ。と思う自分もどうなのだろう
「私も神崎君が好きだよ」
「っ!」
「神崎君と同じ意味の、好きだよ」
これも、前のときと同じ言葉。本当に、同じ意味の『好き』なのだろうか?
それを今考えるのは、やめようと思った。
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