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君と出逢って、   =第10話= ( No.25 )
日時: 2012/10/13 15:11
名前: 陽和 ◆yB/R/.3mOQ (ID: kcj49vWg)




——どうして光に逢いたくなったのだろう?

そんな疑問が、平常心を取り戻した今、浮かび上がる。


「お前、何か甘い匂いがする」

光がそう言って鼻を私の服に近付けた。


「ジュースでもぶっかけられたか?」

ふざけたような口調で質問をしてきた。


光は私のことを何でもお見通しなのか…

それとも勘が鋭いだけか…

どっちにしろ、図星を突かれたのはこれで2回目だ。


こくりと頷き返事をした。


さっきのことを思い出してしまって涙が出そうになった。

グッと歯を食いしばって止めようとした。

2回も涙を見せたくない。

カッコ悪い。

そう自分の心が言っていた。


「泣きたいなら泣けばいい。泣いた分笑顔になれば問題ない」

私が泣くのを我慢していたのがわかったのか、夕日の沈んだ空を見上げながら光は呟いた。


ドキン…

横顔は男らしくて、凛々しくて——


あぁ、わかってしまった。

光に逢いたくなった理由が。


——私、光のことが好きなんだ…