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君と出逢って、   =第1話= ( No.5 )
日時: 2012/10/02 15:28
名前: 陽和 ◆yB/R/.3mOQ (ID: kcj49vWg)




夏の日差しが照りつける場所から離れて私は木陰で泣いていた。


すると頭上から声がした。

「あのさ、何泣いてんだか知らないけど、俺の場所で泣かないでくれない?」


上を見上げると木の太い枝にのった少年だった。

陰でよく見えないがたぶん私より背が低いだろう。


ドサッ

急に私の目の前に飛び込んできて少年は言った。


「そんなに泣きたいならほかの場所行ってくれない?ここは俺の縄張り」


真っ黒な髪の毛に青い瞳。

まるで吸い込まれそうな——…


こんな暑い日なのに黒のフード付きのパーカーをはおった少年はまた私に言う。


「ぼーっとすんな。さっさとあっちに行け」

少年は私を睨む。


あまりにも酷い事を言う少年に私も言い返してやった。


「私の苦労も知らないでよくそんなこと言えるわね。第一縄張りって何よ。ここはあんただけの場所じゃないわ」


キッパリ言い張った私はなんだかすっきりしていた。


少年はじっと私を睨んだまま。


「何か言いなさいよ」

私も睨み返してやった。


すると少年は予想もしないことを口にした。

「お前いじめられてんの?」


ザザーッと風が吹き荒れ少年に全てを見透かされたことに私の頭の中は真っ白になった。