コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 臆病な人たちの幸福論 ( No.175 )
- 日時: 2012/12/27 22:53
- 名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: qgJatE7N)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
わたしの願いは、極普通の生活だった。
極普通に、外に出て。
極普通に、人とであって、友達を作って。
極普通に、女学校に行って、極普通に話し、遊び、勉強し、時には人の為に動いて……そんな日々を望んだ。
それは、身体が弱かったわたしには、到底届かなかった願いだったけれど。
辛いことも沢山あって、悲しいことも沢山あったけれど。
優しい人たちに出会えた。
大好きな人に出会えた。
そして当たり前のように、日々を過ごしている。
大好きな人と、一緒に。
……そう、凄く大切な日々なの。
凄く、凄く楽しい日々なの。けど、けどね?
——……あんまりにも、辛すぎるよ、今。
「えっと、『おぶなが』と『たかだ神殿』が『長しその戦い』で戦って……?」「『織田信長』と『武田信玄』が『長篠の戦い』で戦った、だ」
わたしがこの学校の生徒となって、三日が経った。
ケンちゃんとは一緒にいたいときに居られるし、わたしがこん睡状態の時しょっちゅう見舞いに来てくれた雪ちゃんとも仲良く出来た。友達いっぱい増えた。
凄く、楽しい日々。幸せな日々。けれど、やはり問題があるといえばあった。
——それは、わたしの学力。
病気の為、女学校もまともに通えなかったわたしは、凄く学力が低い。なのに高校三年生に編入出来たのは、多分校長の気遣いと懐の大きさだろう。
……校長と幾らか話しようとするたびに、セクハラされかけたけどね。保護者としてコーヒー先生もとい芽衣子さんが迷わず本を投げたけどね。司書なのに本を大切にしなくてもいいんだろうか……と思ったのは、いうまでもありません。
まあ、一応編入は出来たわけなのだけど、生憎わたしの学力だと授業にもついていけない。
——というわけで、成績は何時もトップレベルである(らしい)ケンちゃんに、勉強を教えてもらうことにしたのだ。
最初は嫌々だった彼も、最近じゃわたしより先に待ち合わせである図書室で待ってくれている。ケンちゃんだけじゃなく、図書委員である雪ちゃんにも教わっている。芽衣子さんは……「私殆ど学校で習ったこと覚えてないわよ」っていわれた。
まあとにかく、貴重な時間を削ってまで、二人を付き合わせているのだから、早く覚えなきゃ! って思ったのですが……。
——何で、こんなにも社会は用語があるのですかッ!?
しかも政治も昭和からかなり変わってるしッ!
生徒が漏らす、断片的な情報しか貰えなかったわたしは、今の政治がどうなってるかなんて、全然知りませんでした。歴史も本当に少ししか知らなかったし、地理なんてもっての他。
図書室の机の上に突っ伏す。あまりの知識量にわたしは頭が痛くなった。