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Re: 臆病な人たちの幸福論【『5000突破ありがとう!!』更新!】 ( No.393 )
日時: 2013/06/01 16:58
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: l6pfUsAS)

 時と場所は変わって、炎天下のコンビニ前。
 森永伸太郎は、いわれのない罪で、まだ女性——いや、良く見れば少し幼い面差しが残る美少女に、怒られていた。
 上に乗っかったアイスクリームを落とす為に、飲料水を頭からぶっ掛けた少女は、少し色っぽい。——が、そんな少女に近づく無謀人はいなかった。

 何故ならば、彼女は——明らかに年上の男を土下座させ、上から怒鳴り散らしていたのだから。



「……全く!! レディにアイスクリームを頭からぶっかけるとか、どういう神経してんの!」
「スイマセンデシタホントウニスイマセンデシタ」


 洗脳されてしまったようで、まるでロボットみたいにカタカタと口を動かす森永。
 やっと気が済んだのか、美少女——烏間向日葵は、随分長いため息をつく。


「全く……。一刻も早く探さないといけないものがあるのに……こんな足手まとい食らっちゃった」
「ホントウニモウシワケゴザイマセンデシタ」
「もういいわよ、ここに居る方が時間食っちゃうわ……」


 じゃあさっさと止めればよかったじゃん。
 しかし、森永は洗脳されており、心の中でも呟くことはできなかった。


「……ってか腹減った。早く済ませたいところだけど、腹が減ってはなんとやらというしね……。アンタお詫びに、美味しい店に連れて行きなさいよ」
「承知シマシター、オ嬢様—」
「勿論、お詫びなんだから、奢りなさいよ?」
「オ安イ御用デス、オ嬢様—」


 ——というわけで、烏間佐介の妹、烏間向日葵は、森永の案内の元『ハルジオン』へ向かうこととなる。




     「今年の夏休み……ふざけてますよね」「だからその言葉は以下略のその三」



 ただいま、僕らは少し遅めの昼食にありついていた。


「いやー、こんな近くに美味しい焼き鳥屋があるなんてー!」
「焼き鳥屋じゃなくて、ホントはバーなんだけどね、バー」


 人目を気にしていない忍者(仮)は、ガツガツと焼き鳥に食いつく。
 ここは彼女がいったとおり、バーだ。名前は『ハルジオン』。バーなのに焼き鳥? というか真昼間から経営してるの? と思う方もいらっしゃると思いますが、この店のオーナーが変わった人で、酒よりも料理を作るのが好きらしいのです。お昼はレストランとして、和洋中、何でもオーダーできる。
 この店を知ったのは、あのダメナコ先生に連れてこられて、奢ってもらった時のこと。なんと、先生とオーダーは中学校時代からの友人らしかった。

 類はなんとやら、友人にしてこの人あり、と心の中で呟いたのは酷く最近に思えた。