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Re: *愛迷華* (実話) ( No.104 )
日時: 2013/05/26 01:07
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 6C3OJFg3)
参照: ぼよよよん

第五十三話『協力とメアド』


*依麻目線に戻ります*


「……という訳でして……」


かやは、溜息混じりにそう言った。
聞いていた私達は、複雑な顔で顔を見合わせる。


「文哉に聞いてって言っても……タダで教えてくれなさそうだよね、あいつは」


あゆも溜息混じりでそう言い、私達は小さく唸る。
確かに、文哉が関わるとめんどくさくなりそうだし……。
下手したら、周りに広められるかもしれないし。
それは、加耶も避けたいはずだ。


「どうするか……」


私達は頭を抱え、悩む。
数秒の沈黙が流れた後、麻里が私の肩に手を置いた。


「……え、麻里?」
「依麻、小八君のメアド持ってたよね?」
「え、うん……あ」


麻里の言葉で、私はハッとする。
そして加耶の顔を見た。


「私が小八に聞いてあげるか? 加耶にメアド教えていい? って!!」


私が加耶に向かってそう言うと、加耶の顔が一瞬明るくなる。
しかしすぐに表情が曇り、


「……でも、依麻……」


申し訳なさそうな顔で、私を見てきた。
私はその意味をすぐに察知し、手を横にぶんぶんと振り回す。


「気にしないでって言ったでしょ? いいよ、聞くから頼ってくれ!!」


私はドヤ顔でそう叫んだ。
周りは、一瞬フリーズするが……。


「……依麻の顔よ」


あゆのその一言で、皆吹き出した。
加耶も笑顔になり、


「……ありがとう、頼らせていただきます」


私の顔を見て、そう言った。


「まかせろ! ……よし、そうと決まればすぐに実行!!」


私は携帯を取り出し、小八のアドレス帳を開いた。
……自分からこのアドレス帳を開くのは、告白の時以来だ。
私は素早く『加耶にメアド教えてもいい?』と打ち、少しドキドキしたが覚悟を決めて送った。


「送ったよ、加耶」
「ありがとう依麻! ……やー、これで断られたらどうしよう……」
「それはないしょ! 戸沢が邪魔しなければ直接教えようとしてた訳だし……」


不安がる加耶に、私は明るい口調でそう言った。
皆もうんうん、と口を揃える。


——それとほぼ同時に、小八から返信が来た。


「……依麻、小八から?」
「うん。『いいよ』だって!!」
「うあぁぁぁぁ、よかったー……!!」


加耶は絶叫し、両頬を抑える。
私達も安心し、加耶に向かって笑顔を見せた。


「かや、家帰ったら頑張ってメールするよ!!」


私は小八のアドレスを乗っけたメールを加耶に送り、受け取った加耶は笑顔でそう言った。
私達は歓声を上げ、ひたすら加耶を応援する。


うまくいけばいいな——。
私は、この時心からそう思った。