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- Re: *愛迷華* (実話) ( No.107 )
- 日時: 2013/05/27 18:39
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3JMHQnkb)
- 参照: ぼよよよん
第五十五話『悪化する関係』
私達のグループは、全員フリーズ。
あゆも「聞かなきゃよかった」という顔をして、申し訳なさそうにこちらを見ている。
隣に居る真枝は、俯いているためどんな表情か見えない。
——私はこの場から逃げ出したい気持ちになった。
「美紀、なんで孝仁のこと好きになったの?」
「えっとね、学祭の準備で美紀が道具取りたくて……。背伸びしても届かなかったときに、孝仁くんが代わりに取ってくれたの。あと席替えで近くなったときに笑顔で話しかけてくれたりとかして……優しいなぁ〜みたいな」
「おぉーっ!!」
陽子と美紀ちゃんは再び盛り上がるが、私達はただ固まることしかできなかった。
そこで話題を変えるために、私はなおみを見る。
「……なおみは、好きな人いないの?」
「いるわけないじゃん」
なおみはそういい、小さく笑う。
すると陽子と美紀ちゃんはなおみの頬をつんつんと触り始めた。
「……ちょ、何?」
「なおみ、せっかく美人なのに〜」
「そうだよー」
陽子と美紀ちゃんはニヤつきながらそう言った。
……な、なんとか話題を変えれた……。
私はこの勢いで、もう話が戻らないように頑張って話題を作ることにした。
**
しばらくし、なんとか解散することに成功した。
学校の外に出た私達グループは、無言。
真枝は相変わらず俯いているし、皆どう言葉をかけたらいいのか悩んでいた。
「……とりあえず、疲れたね……」
麻里が小さくそう呟き、皆声をそろえて頷いた。
……やっぱり、真枝は無言。
私の心境も複雑な事になっていた。
真枝と美紀ちゃんが孝仁の事が好きで——。
孝仁は私に告白をしてきて、私は保留したままで。
そして私は、小八が好き。
加耶も小八が好きで——……。
悪化してしまった、この複雑な関係。
どうしたら、いいんだろうか。
私がすべての元凶……だよな……。
胸がひたすら締め付けられる。
とりあえず、私はまだ答えが出せないし見つからない。
だから、せめて——。
これ以上は、悪化しませんように。
今の私には、そう願うことしかできなかった。