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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) 57話更新! ( No.116 )
- 日時: 2013/06/15 14:27
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: .KuBXW.Y)
- 参照: だぎゃ
第六十話『向き合う真実』
「……依麻、どうしたの?」
女子トイレに着き、加耶は不安そうな顔で私を見る。
個室には入らず、鏡の前で向き合う。
私は数秒黙っていたが、しばらくして口を開いた。
「……これ、全部見てほしいんだ」
私は携帯を取り出し、加耶に孝仁とのメールの内容を全部見せた。
告白されたこと、今までのやり取り——。
全部、包み隠さず。
「——……やっぱり依麻、告白されてたんだ……」
「……黙っててごめん」
「ううん、言いづらいよね。こういうのって……。真枝ちゃんもいるし、簡単にいえる訳ないよ」
だから、気にしないで。
加耶はそう言って、笑う。
私はその笑みに再び泣きそうになりながらも、堪えて小さく頷いた。
——その時、だった。
「……依麻? 加耶ちゃん……?」
細い声が聞こえ、私達は振り向く。
「……真枝……」
私は思わず、目を見開いてしまった。
すぐ後ろには、真枝が居たのだ。
真枝はゆっくりと私に近づき、
「……私にも教えてよ、依麻。隠さないで?」
そう、呟いた。
加耶は私の顔と真枝の顔を交互に見て、不安そうな顔をしている。
私は唇を噛み締め、真枝から目を逸らしていた。
……だけど、ちゃんと向き合わなきゃ。
逃げてばかりじゃいられない。
真枝にもいずれ伝えなきゃいけない事なんだから——。
私が、ちゃんと言わなきゃだよね。
「……わかった」
私は視線をしっかりと真枝に向け、そう一言だけ呟いて女子トイレから出た。
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