コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) 68話更新! ( No.138 )
- 日時: 2013/07/09 15:51
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: h7rqA5xU)
- 参照: また1から戻っただけ、
第七十二話『知りたい答え』
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そのまま私達も帰ることになり、帰り道を由良と自転車で漕いでいた。
しかし無言の私に疑問を抱いたのか、止まって振り返る。
「……依麻、」
「……私、どうすればいいの……」
気が付けば、私は泣いていた。
……涙が、止まらない。
「様子見るべきだと思うけどね、私は」
由良は自転車から降り、私に近づく。
私は黙ったまま、由良を見る。
「文哉の言ってることはグサッとくるかもだけど……。『依麻が見えてる孝仁くん』と『文哉が見えてる孝仁くん』は違うじゃん?」
「……うん」
「私がもし孝仁くんだったら、依麻に見えてる自分を信じてほしいけどな。文哉とか、周りから見てる自分じゃなくてさ」
『私が見えてる孝仁』と『周りが見えてる孝仁』。
……確かに、同じのようで同じじゃないかもしれない。
「孝仁くんも、学校に部活、バイトに勉強、友達に恋愛って色々忙しいと思うんだ。全部完璧に出来る人なんていないから、大変なんじゃないかな?」
由良はそう言い、私に笑顔を向けた。
……確かに、由良の言ってることは正論だ。
「……由良の言ってることも納得するし、文哉の言う通りでもある……って思うんだ」
「うん」
「だけど私、振るんだったら振られたいの。嫌われるんだったらとことん嫌われて、嫌いって言ってほしいの。……ただ、それだけなのに」
私はただ、
「好きじゃないなら、付き合っていたくないだけ。だから孝仁から、振ってほしいだけなの」
ハッキリして、ほしいだけ。
「……そうだよね、依麻も間違ってないと思うよ」
由良はそう言い、私の頭に手を置いた。
——……自分に、腹立つ。
文哉の言ってることはわかってるのに、受け入れたくないことも。
今の私も。
今の私に対して、孝仁の想ってる気持ちも態度も全部私のせいなのに。
全部わかってるのに、認めたくないことも。
全てにおいて、自分が嫌になった。