コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.14 )
- 日時: 2012/12/23 11:22
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: TW1Zh9zP)
第二話『久しぶりの連絡』
高校生活がスタートし、三日が経った。
私は相変わらず学校に慣れず、一人行動に一人弁当を楽しんでいた。
そんな特に刺激のない日々を繰り返し、真っ直ぐに家に帰るのが最近の日課だ。
あーあ、誠に会いたいな……。
誠は学校楽しめてるかなぁ。
高校始まってから全然連絡取ってないもんな、うん。
ため息交じりにそう考えながら、携帯を見つめる。
すると、タイミングよく携帯が鳴り響いた。
携帯の画面に浮かぶのは、『林田 誠』の文字。
久しぶりの、連絡。
嬉しさを抑えながら、私は勢いよく電話に出た。
「もしもし?」
≪もしもし? 依麻〜≫
変わらない、誠の声だ。
私は更に嬉しくなり、何を話そうかと頭の中で考えていた。
私、四組になったんだよ〜とか。
誠は学校どう? とか。
友達出来た? とか——。
それから、早く会いたいな〜とか。
言いたいことが大分まとまって口に出そうとしたときに、
≪俺ね、吹奏楽部入ったよ!≫
誠が嬉しそうな声で、先に言った。
……って、あれ?
吹 奏 楽 部 ?
「り、陸上……は……?」
≪陸上? あー、吹奏楽部の方が面白そうだったからさ≫
「まじで? え、でも陸上部に入るためにそっちの高校に入ったんじゃ——」
≪まぁ、そうだけどね≫
誠は明るい声で、そう言った。
陸上部入らないんだったら、私と同じ高校でもよかったじゃん……!!
そう思ったとき、
≪俺、部活入っちゃったからさ……。しばらく、会えない≫
一気に、胸に刺さる一言が降ってきた。
しばらく会えない……ってことは——?
「じゃあ、今週の日曜日は? 十五日……」
≪日曜日? ……あぁ、それも無理だわ……≫
がーん。
まさに、今の私にぴったりの効果音だ。
四月十五日——私の誕生日。
私の為に開けといてくれたはずだった、日曜日。
デートするって約束した日。
≪ごめんね≫
「……ううん、いいよ」
≪本当にごめんね≫
「気にしないで。しょうがないでしょ、部活なら」
≪ごめんね。ゴールデンウィークなら遊べるから。遊ぼ≫
誠がそう言うと、少しだけ気持ちが楽になった。
だけど、本当に会えるのか——。
吹奏楽部の練習量が多いことなんて、わかりきってることだ。
誠を信じなきゃいけないけど——。
どうしても、素っ気ない態度になってしまう。
私は自分に嫌悪を感じながら、引き続き誠と電話をしていた。