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- Re: *愛迷華* (実話) 74話更新! ( No.145 )
- 日時: 2013/08/08 17:26
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: pkkudMAq)
- 参照: また1から戻っただけ、
第七十五話『宿泊学習と思い出』
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夕食を食べ終わり、部屋で待機。
麻里はお風呂に入っているし、真枝は携帯いじってるし——……。
由良の所でも遊びに行こうかな。
そう思っていた、時だった。
「ぶわっ!?」
手に持っていた携帯が突然震えだした。
慌てて画面を見ると——。
里田 孝仁
孝 仁 か ら 電 話 が き た ! !
「うおおおおお!?」
私は奇声を上げながら、慌てて電話に出た。
「もっ、もしもし!?」
≪依麻?≫
「は、はい!」
本当に孝仁だぁぁぁ!!!!
私は嬉しさで、思わずニヤける。
「ど、どうしたの?」
≪竜真が暴れっ……ガガガガガ≫
「え、ちょ」
どうした、孝仁。
≪ちょ、貸せ! 孝仁!!≫
≪何言うの、ちょ、だめ、やだ≫
≪フン≫
騒ぐ村野と孝仁に、鼻息だけが聞こえるハチ。
……男子の部屋は、賑やかなようで。
≪——もしもし、依麻?≫
「あ、は、はい?」
≪ごめんね、竜真がうるさくて……≫
「い、いや、大丈夫!」
改めて、孝仁との電話。
あぁ、幸せだ。
何でもないのに電話するって、本当にカレカノっていう実感が湧く。
ずっと憧れていたよ……こういうの。
私は浮かれ気味になりながら、何分も孝仁と電話をした。
くだらないことをいっぱい話して——。
少しの間だったけれども、一日目はとても幸せな時間を過ごすことが出来た。
二日目はラフティングなどで忙しく、一日目よりは何もなかったけれども少し話せて。
全ては由良のお陰であります。
——そして、三日目。
「——水城」
「……は、はい」
観光地巡りと登山が終わった後の、バスにて。
私は今、バスの中で村野に迫られています。
「孝仁とどうなのよ」
「どう……って、」
「ここまできたならもう、腹割って話すべ。俺、お前とちゃんとこういうの話したのあまりないし」
「うん……。まぁね」
村野はそう言いながら、怖い顔で私を見る。
ちょ、怖い怖い怖い。
「大体さ、小八はお前のこと好きだったんだべ?」
「過去……はね」
「お前はどなのよ」
「どうって……。昔は、うん」
村野と腹を割った……会話?
なんだか不思議な組み合わせに、思わず一人で笑いそうになりながらも俯く。
「小八の携帯にお前が振ったときのやつあるかなって探したんだよ」
「は!?」
ち ょ っ と 待 て
「お前のはなかったけど、美紀のやつがでてきた」
み、美紀ちゃん……。
私は横目で、美紀ちゃんを見た。
美紀ちゃんは前の席で、女子たちと騒いでいる。
「思いっきり振られてんのね、あいつ」
村野はケラケラと笑いながら、小声でそう呟く。
美紀ちゃんとハチ……付き合ったもんね、そういえば。
すぐ別れたみたいだけど——。
もし、私が誠と付き合ってなくて。
ハチの告白をOKしてたら——どうなってたんだろう?
そんなことを今考えても、どうしようもないけれど。
それに今、私には孝仁という大事な人がいるし——。
「——駅に着いたから、早く準備して降りろー」
ボーッとしていると、担任がマイクでバス内に伝わるようにそう言った。
あ、もう駅に着いたのね……。
私は軽く頭をかき、バスから降りる準備をした。
なんだかんだ、あったけれど。
孝仁とも関われたし、宿泊学習自体も楽しかったし——。
思い出がたくさんつくれて、よかった。
そう思いこんでた私に、少しずつカウントダウンが近づいているなんて——。
この時はまだ、知らなかった。