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- Re: *愛迷華* (実話) 74話更新! ( No.147 )
- 日時: 2013/08/08 17:53
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: pkkudMAq)
- 参照: また1から戻っただけ、
第七十七話『四人の写真』
そんな訳で、次の日。
「……由良、どうする」
「うーん……」
「……もう帰ってもいい?」
「……」
放課後、約束通りに私達四人は階段下で集まっていた。
由良の顔を見つめる私。
考える由良。
帰りたがる孝仁。
そして、無言の翔斗。
「たーかーひーとーはーやーく!」
「……あー、ちょいまって!」
奥の方では、声を張り上げているハチがいる。
撮るなら、早く撮らなきゃだよね……。
あぁ、この沈黙が気まずい。
「……とりあえず、そこの人に撮ってもらおう。すいませーん」
「え、由」
由良は通りがかりの人に自分の携帯を渡し、撮ってもらおうとしていた。
通りがかりの人は快くOKしてくれた為、私たちは固まる。
「……じゃあ、いきますよー」
前に、私と孝仁。
後ろには由良と翔斗。
携帯のカメラのシャッター音が響き、私達は顔を緩ませた。
「……じゃあ、俺帰るね」
孝仁は小さく笑い、立ち上がった。
しかし、
「待って!」
由良が孝仁のカバンを引っ張ってを止めたため、孝仁は前のめりになる。
孝仁は少し目を細め、由良を見つめた。
「……なに?」
「宿泊の時さ、依麻と孝仁くん記念日だったのに撮れなかったから……。ツーショット撮らせて!」
「「え」」
私と孝仁は声を重ね、顔を見合わせる。
……確かに、宿泊の時は二ヶ月記念日だった。
だけれど——。
「ほら、ならんで」
由良は私と孝仁を並ばせ、写メを撮ろうとした。
な、なんか気まずい……っ!!
「ほらー! もっとくっついて!!」
由良は笑みを浮かべて、私と孝仁に合図をする。
う、うぐ……っ。
私がぎこちなく笑うと同時に、孝仁の方から近づいてくれて——。
肩と肩が、触れた。
「——じゃあ、行くよー!」
私の胸のドキドキとは裏腹に、ピースをする孝仁。
そして、ニヤついてる由良。
「はい、チーズ」
こうして、四人と二人きりの写真を残すことが出来たが——。
私の幸せが崩れる日は、もうすぐそこまでやってきていた。