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Re: *愛迷華* (実話) 74話更新! ( No.149 )
日時: 2013/08/11 00:36
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: jk5mSNBu)
参照: また1から戻っただけ、

第七十八話『席替えと気持ち』


由良が退学し、寂しくなった学校生活。
そんな中でも頑張ると決め、私ははりきって学校に来ていた。


「——じゃあ、今日は席替えするぞー」


担任がそう言い、席替えをすることになった。
少しでも孝仁と近くなれたら、話す機会も出来るかもしれない……よね。


神様、孝仁と出来るだけ近くになれますように——……!!



















「——お前ら、なんで話さねぇのよ」


席替えが終了し、村野が私に近づいてきた。
……そう、なんと嬉しいことに。


私 と 孝 仁 は 隣 の 席 に な れ た の で す


しかし相変わらず、話せないままで。


「いやぁ……」


孝仁は、小さく笑いながら頭をかく。
すると村野は溜息をつき、横目で孝仁を見た。


「せっかく俺が隣にしてやったのに」


……え?
村野の一言に、私は顔を上げて目を丸くする。


「ありがとうございます。……って、え?すごくね? どうやって?」


孝仁も目を丸くし、村野を見ている。
村野は少し自慢げに、腕を組んで笑った。


「俺、男子の席順書いてたじゃん? その時に素早く入れ替えた」
「すげぇ。じゃあ、俺もともとはどこだったの?」
「あそこ」


村野が指差したのは、ハチの席の後ろ。
私とは遠いけれど、孝仁にとってはいい席……かも。


「俺、あそこだったんだ……」
「おう。だからお前さー、せっかく隣なのに『席隣だね』くらい言えよ馬鹿!」


村野はそう声を荒げ、孝仁の頭を軽く叩いた。
孝仁は頭を押さえながら、笑う。


「いやぁ、話しかけようと思ってたけどさ、タイミングがね……」
「なにがタイミングよ!! ——おい、水城!」
「はいっ!?」


突然村野が私に話を振ってきたため、私は思わず飛び跳ねる。
村野は私の机に両手をつき、口を開いた。


「お前もお前でなんで話さないんだよ! なんだよ、いっちょ前に照れてんのか!? あぁ!?」
「あ、あはは……」


図星です村野くん。


「お前ら見てたらイライラする!」
「「すみません」」


私と孝仁は、村野に向かって謝罪。
……って、なんで村野に謝ってるんだろう私達。


「お前らが学校で話してるの見たことないし。話すとこみたい」
「一回だけあるよ。ね?」
「え?」


孝仁が突然私の事を見てきたため、私は思わずぎこちない笑みを浮かべてしまった。


「一回だけ話したことあるよね」
「……っう、うん」


私は慌てて頷き、村野を見る。
村野は小さく溜息をつきながら、再び私たちを見た。


「一回だけかよ! なんて?」
「よっ! ……って」
「それだけかよ! ……もう、勝手にしろ」


村野は笑いながら、呆れ顔で去って行った。
……私だって、話せるのなら話したいし——。
だけれど、なんだか話せないんだよなぁ。
照れるのもあるけれど、気まずいというか……。


最近あまりメールもしていないし、ドタキャンばかりだし。
なんだか、なぁ……。


もう十月。
もう付き合って、三か月。
もう少しで四か月。


私は一緒に居れてるだけで、幸せだけど——。


最近、孝仁の考えてることがよくわからなくなっている自分が居た。