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第八十一話『届かない声』


こう言われちゃったら、もう諦めるしかない。
伝えることなんか、なくなってしまった。


『別れたくない』なんて我儘、もう言えない。


from.依麻
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わかったよ、
今まで本当にありがとう。
最初から最後まで迷惑かけて
傷付けて本当にごめんね。

短い間だったけど幸せだったよ！
大好きでした！
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涙でもう、画面が見えない。
今の私はきっと、誰にも会えない位に顔がぐちゃぐちゃで。
みっともなくて。


凄く、かっこ悪いだろう。


from.孝仁
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ありがとう(^O^)／

バイバイ（≧∇≦）
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孝仁から来た、最後の返事。
これを見た瞬間、色んな物がどうでもよくなって。
これ以上ない位、泣き叫んだ。


——孝仁と付き合ったこと。
初めて遊んだ日のこと。
初めて手をつないだこと。
腕を組んだこと。
抱きしめてくれたこと。
「ちゅーして」と何度もせがんだ私に対して、孝仁は照れながら応えてくれたこと。
なかなか好きと言ってくれない孝仁に対し拗ねていたら、
『俺から言わせんな』と言って頭を撫でてくれたこと。
いっぱいメールしたこと。


私がたくさんはしゃいでも、孝仁は怒らなかった。
優しく笑ってくれた。


全部全部受け止めて、くれた。


だけど、別れたきっかけを作ったのは——。
紛れもなく、私だ。
冷められる原因は私にあって。
全部、私のせいなのに。


どうして、涙が止まらないの？































十月二十九日。
孝仁と過ごした三ヶ月と十六日の日々に、幕を閉じることとなった。