コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) 87話更新! ( No.172 )
- 日時: 2013/08/24 22:58
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3nikXZtz)
- 参照: 足りない 切ない 鳴り止まない
第八十八話『嘘≒真実』
「孝仁ー」
「ん?」
次の日。
翔斗が孝仁に近づき、ニヤニヤしながら口を開いた。
「お前、なにコンビニでイチャイチャしてんだよ」
え?
「はぁ?」
孝仁は首を傾げ、小さく笑う。
その隣の私は、平然な顔をして聞いてない振りをするが——。
心の中、呆然。
「してないから」
「セクシー系なお姉さんとイチャイチャしてたべ」
セ ク シ ー 系 な お 姉 さ ん !?
セクシー……。
セクシー。
セクシー!?
「バイトの先輩だから! ブサイクだよ、あの人。……いや、ブサイクではないけど……」
孝仁は小さく口をもごもごさせながら、そう呟いた。
翔斗は笑みを浮かべ、去っていく。
……水城依麻、唖然。
孝仁はコンビニでバイトをしていて。
昨日は……そうだ、翔斗と由良はデートしてたらしい。
……となると、由良が何か知っている……かもしれない?
そう感じた私は、授業中に由良にメールを送ってみることにした。
**
由良にメールを送り、孝仁は本当にバイト先の先輩とイチャイチャしてたのか聞いてみた。
すると、由良からすぐに返事が返ってくる。
from.由良
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え、なにそれ(笑)
昨日翔斗と孝仁のコンビニに行ったのは確かだけど
孝仁はバイト先の先輩と話してもいなかったよ!!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「……え」
由良の文章に、私はフリーズした。
でも、だって、翔斗は——。
そう思っていると、長い長い由良からの再現メールがきた。
*由良の再現なので由良目線になります*
待ちに待った翔斗とのデート、という訳で。
私、里田由良は翔斗と一緒に翔斗の家の近くのコンビニに行きました!!
手を繋ぎながら、ウキウキ気分で店内に入ると——……。
「よ!」
翔斗がまず、店員の方へ向かって笑顔を向けた。
そこで私が店員に目を向けると——……。
「……え、なんでいんの」
依麻の元カレ——……里田孝仁が居た。
え、こいつ、ここで働いてるの!?
「ここ、俺の家近いから」
翔斗は笑みを浮かべ、孝仁を見る。
孝仁は私達を見てフリーズした後、
「ああぁ〜ぃーやぁああああ」
と、奇声を上げた。
そんな孝仁の姿が面白くて思わず笑いそうになりながらも、私は孝仁に向かって
「頑張ってね」
とりあえず、そう言っておいた。
「おう! ヴェッホヴェッホ」
「孝仁、レジやってー」
孝仁が咳をしているにも関わらず、翔斗はジュースを掴んでレジに置いた。
そこで孝仁は、無言でバックヤードに逃走。
「あ。逃げたなあいつ」
「いらっしゃいませー、120円が一点」
そこで現れた女の店員。
私は翔斗の隣でボーッとしながらも、袋に入る商品を見つめていた。
*再現終了*
私は由良の再現を見て、再び考えた。
……と、なると……。
翔斗のデマ
「……あの野郎……」
私は小さな声で呟き、翔斗の背中を睨む。
授業中にかかわらず、爆睡している翔斗。
チラリと見える、間抜けな寝顔。
そんな奴に、まんまと騙された私。
翔斗には未練あること、言ってないんだけどなぁー……。
まぁ、由良が言ったのかもしれないけれど。
そうだとしたら、さっきの話は絶対私を混乱させるために言ったんだな!!
く、悔しい。
でもとりあえず、デマで安心。
私は小さく溜息をつき、頬杖をついた。