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第八十九話『空回りな言動』


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翔斗に騙された次の日にテストがあり、私は言うまでもなくズタボロ。
孝仁と別れたことで勉強なんて手につかず、テスト勉強なんてロクにしていなかった。


そんな訳で、テスト返却の日——。


「……に、二十八点……」


私は返却された数学のテストを見て、茫然。
二十八点。赤点。見事に赤点です、はい。


「あぁぁおおおお」


これは見なかったことにしよう、うん。
私は奇声を上げ、テストを放り投げた。
するとテストは意外に空に舞い、床に落ちた。


それを見ていた孝仁は、腕を伸ばす。
……ちょ、待てええええええええ!!!!


「あらららぁらぁらぁ」


二十八点が見られる……!!
私は隣の孝仁より早くテストを取る為に、慌てて椅子を引いた。


すると、


「あ」


ぐしゃ。


音に表すと、まさにこんな感じで。
私のテスト用紙が、私の椅子で見事につぶれた。
それを見た孝仁は、慌てて手を引っ込める。


「あぁぁぁお」


私は再び奇声をあげながら、テストを拾い上げた。
自分の椅子のせいで半分に破けようが、気にせずひたすらテストを隠す。
それを見て、笑う真枝。
そしてフリーズする孝仁。


……見事に、やらかした……。


こんな奇声あげまくって変な行動してたら、明らかに引かれる。
ていうかもう、引かれたかもしれない。
あぁもう、孝仁の顔が直視できない!!


私は、自分の言動を恨んだ。