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Re: *愛迷華* (実話) 90話更新! ( No.178 )
日時: 2013/08/25 20:42
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: e7NtKjBm)
参照: 足りない 切ない 鳴り止まない

第九十一話『11月29日』


決意と目標はいくらでも思い浮かぶが、なかなか実行できず。
動けないまま、弱いまま。
気が付けば、もう十一月二十九日。


——今日で、孝仁と別れて一か月だ。


「……まじか……」


そんな今日、席替えをすることになり。
孝仁は家族と旅行に行ったので、今日はずる休みしている。


そんな私の新しい席は、そのずる休みしている張本人——孝仁の席で。
椅子と机はそのままで移動するから、私は昨日まで孝仁が座っていた席に座らなくちゃいけない。


「……はぁ」


私は小さく溜息をつき、孝仁が座っていた席に座る。
新しい、席。
孝仁は、前までこんな景色で授業を受けていたのか——。


そう思いながら机の中に授業道具を入れようとしたとき、


「……ん?」


何かに引っかかって、授業道具が入らなかった。
私は机を覗き、唖然。


孝仁が読んでいた、本やティッシュや色んなものが入っている。


「……どうしよう……」


ずっとこのままじゃ、まずいよね。
孝仁は明日も休むとか言ってたし……。
そうなると、来週までこのままになっちゃうよね。


いきなりのピンチ。
ピンチをチャンスに変える、とか言うけれど——……。


「……あ」


考えていた末、私はあることを思いついた。


**


私はカーディガンのポケットから携帯をだし、机の下で開く。
ちょっと気まずいけれど、メールをしてみよう。
ちゃんと理由もあるし……いいよね!?


from.依麻
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ひさしぶりー\(^^)/

私の新しい席に
孝仁の本とか入ってるけど、
どうしたらいい?(笑)

孝仁の新しい席の中にいれとく?
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何度も送るのを戸惑いながらも、やっとのことで送信。
すると意外にも、すぐ返事が返ってきた。


from.孝仁
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あー、依麻持ってていいよ\(^o^)/

月曜日とりに行く(^O^)/

授業中だろ? バレるぞ(≧∇≦)
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ちょっぴり無邪気な返事に、私は不覚にもドキッとしてしまう。
……これはもう、授業どころじゃない。
一番後ろの席でよかった、本当によかった……!!


私はニヤけるのを抑え、返事をした。


from.依麻
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わかったよ\(^^)/
机の中入れっぱなしにしとくね(*´`*)

それがバレないんだな(笑)
暇なんだもん(´・ω・`)
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——送信完了しました——


その文字が出る度に、私の胸はぎゅーっとなる。


ナチュナルに、あくまでも自然に行かなきゃ。
せっかくメールが出来てるんだから——。


そう思っていると、すぐに光る携帯。
すぐに孝仁だとわかり、何気ない手つきでメールボックスを開く。


そして、私は固まった。