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- Re: *愛迷華* (実話) ( No.18 )
- 日時: 2012/12/23 12:04
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: TW1Zh9zP)
第五話『相対思考』
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「依麻、今日どっかいく?」
ふと、誠がそう呟いた。
私は驚き、思わず目を丸くする。
「え? どっか……って、」
私が疑問に思うと、誠はニヤリと笑みを浮かべた。
「デート」
「……っ!!」
誠の小悪魔みたいな笑みと発言に、思わず顔が赤くなる。
本来は、今日デートの約束をしていた。
誕生日に、デート。
その約束も、覚えててくれたんだ……。
「……ね、依麻。ぎゅーして」
誠のその言い方が、可愛くて。
愛おしくて。
思いっきり、抱きしめた。
「久しぶりだ……。大事な人が、戻ってきた……」
誠は、私の耳元でそっと呟いた。
「……うん」
照れるわ。
体温が徐々に上がってくのを感じるのと同時に、誠が私から離れた。
「……依麻、デートさぁ〜。二人でもいいけど、誰か誘いたいなぁ〜」
え。
思わず、フリーズしてしまった。
二人じゃ、駄目なのか……?
とか思いつつも、しぶしぶ頷く。
「……まぁ、いいけど……」
「大北と世良誘う? ダブルデートみたいな」
「ダブルデート……!?」
付き合ったら、一度はしてみたいこと。
『ダブルデート』という前まで無縁だった、夢のような響きに私は目を輝かせた。
世良と大北カップルなら、仲いい同士だし……。
楽しそう、かも。
「いいよ、ダブルデート!」
「よし! じゃあ、大北に電話かけてみるわ」
誠は携帯を取り出し、大北へと電話をかけた。
大北はすぐに出て、誠は世間話がてらダブルデートの話をし始めた。
その間、誠は私の頭を撫でてくれていて——。
思わず、ニヤける。
そこで、誠が大北との会話をスピーカーにした。
≪——毎日会って、ラブラブだね≫
ちょ、大北。
心の中で突っ込むのと同時に、誠は声を張り上げた。
「毎日じゃねぇよ!? 一週間ぶりだぜ?」
≪……飽きないね≫
「いやぁ、だって俺は毎日じゃなくても、依麻が毎日会いたいみたいなこと言ってるんだもん」
……え。
「私いつそんなこと言った!?」
電話中にも関わらず、思わず大声でそう言ってしまった。
誠は私に視線を向け、携帯から手を離す。
「いやぁ、だって……」
誠は、口をすぼめた。
……まぁ、毎日会いたいには会いたいけどさ。
誠の重荷になるかもしれないし、私なりになるべくわがまま言わないように我慢してるし。
今も、一週間以上会ってなかったからさ。
久しぶりだから、少し浮かれちゃって。
でも、誠は私と会いたくないのかなぁ……?
そんな一つの疑問が、浮かんだ。