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第九十九話『一方通行の言葉』


好きな気持ちは、誰にだって負けないつもりだ。


だけどそれだけじゃ、どうにもならないことだってわかってる。


＊＊


今日で、孝仁に告白の返事を保留されてちょうど二週間だ。


結局何日も学校を休んでしまった私は、その日に久しぶりにちゃんと学校へ行った。


すると授業中、


「……よな、」
「——……で、——……」


孝仁と翔斗は私の方をチラチラと見ながら何か話しているのが見える。
そこで疑問に思った私は、授業が終わった後に二人と席が近い麻里に話を聞くことにした。


「……なんかね、孝仁くんが『やっぱりもう無理』って翔斗に言ってて、翔斗が『だよな』みたいな……」


麻里から聞いたその言葉に、私は一気に呆然。
翔斗とLINEした時、翔斗はなんだかんだ言いながらも『応援してるから頑張れ』って言ってくれた。
『協力出来る事なら協力する』とも言ってくれた。


だけどやっぱり、翔斗も孝仁の意見に賛同していて——。
孝仁も、私と復縁することは『無理』なんだ。


それなら、どうして。
どうして、保留したの？
もう一週間経ってるのに——。


答えが出たなら、さっさと振ってよ。


「……っ」


もう、自分でも訳わからなくなってきた。
ただ、好きなだけなのに伝わらない。
いくら頑張っても、努力は報われないんだ。


どんどん頭の中は、自分でも嫌になるくらいネガティブになっていって——。


こんなんだから、駄目なのに。
自分が一番、わかってるのに。














結局その日の学校では、私は抜け殻のようにただ黙って過ごしていた。