コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: *愛迷華* (実話) 98話更新! ( No.202 )
日時: 2013/09/05 14:26
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: QKK1E4WD)
参照: 本当だっていいよ 戻れないの

第百二話『届けたい言葉』


『孝仁が好き』
そうしっかりと口に出して、私は唇を噛み締めた。


……そうだよ、頑張るって決めた。
どんな形であろうと、しっかり振られるまで頑張ろうって決めたもん。


≪それなら、依麻。依麻がさっき私にぶつけてきてくれたこと、文章じゃなくて電話で直接孝仁に伝えな!!≫


由良は電話越しに、そう背中を押してくれた。
——そうだ。
今までネガティブになりすぎてて、色々見失ってた。


≪好きって気持ちは、想ってるだけじゃ伝わらないよ≫


由良の言う通りだ。


≪本気で好きなら、壁にぶち当たる覚悟でいかなきゃ。依麻と孝仁は一度は付き合ったんだから。理解し合えた仲なんだから。尚更、言葉に出していかなきゃもったないないよ≫


今までネガティブだった私は、どうかしていた。
由良の言葉で、目が覚めた気がする。


由良は私の為に、背中を押してくれた。
こんな私でも、支えてくれた。


孝仁が陽子を好きだとしても。
私達、一度付き合えたんだから。
付き合った三ヶ月は、無駄な三ヶ月じゃないから。


「……ありがとう、由良……」


気付いたことやわかったこと、
得たことや失ったこと、孝仁に出会って沢山あったから。


≪ううん。今すぐ孝仁に伝えておいで。きっと、依麻なら大丈夫≫


本気で好きなら、怖気ついてちゃ駄目だ。
由良に言えたこと、思ったこと。
全部、もう一度。


もう一度、孝仁に伝えたい。


「私、頑張る……!!」
≪よし!! じゃあ、一回電話切るから、頑張ってね≫


由良は笑い混じりの口調でそう言い、電話を切った。
……よし。
勇気を、振り絞らなきゃ。


もう、後悔したくないから——。


「……孝仁……」


由良と話しこんでる間に、気が付けば外は真っ暗。
バイトかもしれない。
それ以前に、孝仁は聞いてくれないかもしれない。


それでも、きちんともう一度だけ伝える。



















私は、アドレス帳を開いて孝仁の電話番号を押した。