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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) 98話更新! ( No.205 )
- 日時: 2013/09/07 17:47
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: UsVfFHTT)
- 参照: 本当だっていいよ 戻れないの
第百四話『伝えたい声』
声が震えていても、
上手く言えなくても。
それでも、きちんと伝えてみせる。
**
≪すぐには信じてもらえないかもしれないけど……、さ≫
改めて本題に入った私は、真剣な顔でそう呟いた。
孝仁は、電話越しで黙って聞いてくれている。
「戻れるように、また信じてもらえるように、私なりに今努力してるんだ」
≪ギャギャギャハッハッハッ≫
「……え」
突然聞こえてきた、孝仁とハチの笑い声。
シリアスなムード、ぶち壊し。
≪ごめ、ごめん、ちょっと≫
「え、あ、うん」
笑い交じりの孝仁に、思わず私も笑みが零れる。
しかし伝えたいことはまだ伝えきっていないから、私はもう一度口を開いた。
「それでね、すぐには信じてもらえないかもしれないけど、好きだから努力してるのは少しでも信じてっていうか……」
≪……うん≫
「わかってほしい……です」
≪わかった≫
突然電話してきて、「なんだこいつ」って思われるかもしれない。
「もう傷つけないし、頑張るから!」
≪うん≫
それでも、私は孝仁が好きだから。
「それを考えて、返事くれるときお願いします」
≪わかったよ≫
振られたとしても、もう一度ちゃんと伝えたい。
「ありがとう」
≪……じゃあ、またな≫
「あ、は、はいっ! いきなりごめんね」
≪大丈夫だよ、じゃあ≫
≪ギャハハハ≫
ハチの笑い声と共にそこで通話が終了し、
私は携帯電話を握りしめる。
通話時間は、数分程度。
それだけど、私にとっては長くて緊張した数分。
「……っうあぁぁああ」
私は携帯をポケットにしまい、一人で叫ぶ。
私は保留されてる身だし、もう言いたいことは全部言ったし謝れたから——。
あとは、孝仁の返事を待つだけ。
言いたいこと、全部言えたんだもん。
振られても、大丈夫。
孝仁を信じて、待ち続けるんだ。
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