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- Re: *愛迷華* (実話) 103話更新! ( No.207 )
- 日時: 2013/09/07 20:46
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: UsVfFHTT)
- 参照: 本当だっていいよ 戻れないの
最終話『愛迷華』
……と、決意した数分後。
「……嘘でしょ」
着信:里見孝仁
「……え、え、え」
今度は孝仁から電話が来て、私は思わず焦る。
は、話は終わったはずなのになんで……!?
「……も、もしもし……?」
疑問を抱きながらも、私はゆっくりと電話に出てみた。
≪ギャーッハッハ≫
電話に出ると、まず響いたのはハチに笑い声。
それに驚いて一瞬フリーズするが、私はもう一度口を開いた。
「も」
≪もしもし?≫
「うぁ、はい!?」
孝仁に言葉を遮られながらも、私は慌てて反応する。
どうしてもう一度電話をしてきたんだろう——……?
そう質問しようとした時、
≪返事、決まったよ≫
孝仁の意外な言葉が、私の鼓膜を揺らした。
思わず「えっ」と声が漏れる私。
こんな早く返事が決まるなんて……!!
私は覚悟を決めて、目を瞑った。
≪やり直そうか》
孝仁のそんな優しい声。
私は瞑っていた目をこれでもかと言うくらい見開き、
「えべっ!?」
思わずそう叫んでしまった。
≪もう一度より戻そう≫
孝仁がもう一度言ったその言葉に、私は一気に力が抜ける。
……信じられ、ない。
「ほ、ほんとうに!?」
≪うん≫
夢にまで見た、孝仁との復縁。
夢だと思ったけれど、夢じゃないこの言葉。
「……っありがどうぅう」
私はその場で号泣して、涙と鼻水まみれになりながら孝仁にお礼を言った。
孝仁はそんな私がおかしかったのか、電話越しに笑みを漏らしている。
≪おう、また改めてよろしくお願いします!≫
「ごぢらごそよろしくお願いします……!!」
≪よろしく≫
「よろしぐぅ」
もう、嬉しすぎて言葉にならない。
私は子供みたいに声に出して泣きじゃくった。
≪……じゃあ、またね≫
「はいぃい」
孝仁との電話が終了し、私はしばらく立ち尽くしていた。
……本当に、復縁が出来たんだ……。
グダグダだったけれど、ちゃんと伝わった。
今までいっぱい色んなことがあった。
だけど、もう私は同じ過ちをしない。
努力は報われる。
この言葉を、自分自身でちゃんと証明できたんだから。
ハチから始まって、孝仁と付き合って別れて。
傷付いたり、色んな人を傷付けた。
すれ違いばかりだったけれど、もう一回大好きな人と復縁ができたんだ。
今までで一番泣いたし、笑った。
一度できた溝はすぐには埋まらないかもしれない。
だけど私は、今度こそ頑張るって決めた。
孝仁が今は本気じゃなくても、私が本気にしてみせる。
もう絶対に離れない。
今度はうまくやってみせる。
長続きできる恋愛を、してみせるんだ。
また迷ったときがあったとしても、私は——……。
今度こそ、君を大切にする。
*愛迷華*(アイマイカ) END