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第十三話『半年前の事情』


昼休みが終わり、五時間目が始まる。
しかし五時間目の授業中はいつも以上に集中できず、モヤモヤが強く胸を渦巻いた。


もう一度、整理してみよう。
壱から昨日、まなのメアドを教えてとメールが来て……。
まなが、それを知っていて。
今日、突然『両想い』だったって聞いて——。


だって、今更過ぎるよ。
私、誠と付き合ってるんだよ？
ノリでも本気でも間違いなく、壱に振られたんだよ？


もしまなが言ってることが本当ならば——。
壱は今も、私の事が好きなの？
え、じゃああの半年はなんだったの？
てかこの話本当なの？
てか半年も前の事を、なんで今更!?


ドキッてしてる私、馬鹿だ。
揺らいでる時点で最悪だ。


でも、あまりにも衝撃が強すぎて——。


これもそれも、誠とうまく行ってないから……なのか。
もしかしたら、私は自然と何処かで逃げ道を作っているだけなのかもしれない。


心の奥のどこかで、そう思った。