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- Re: *愛迷華* (実話) ( No.46 )
- 日時: 2013/05/05 15:14
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: xW7fLG6h)
- 参照: あひょひょのひょ
第二十三話『はじまる日常』
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ゴールデンウィーク明けの、少し暖かい朝。
今日から、また学校が始まります。
このGWは、色んな事があった気がする。
壱からメールが来て、誠と喧嘩して、ハチに告白されて——……。
「……はぁ」
そうだ、ハチの事があったんだ。
私は大きなため息をつきながら、長い階段を上がって教室に向かっていた。
ハチとあの日から、メールをしていない。
ハチが今どんな心境なのかもわからないし……。
非 常 に 気 ま ず い
そう思うも、足はもう教室の目の前で。
ええい、水城依麻頑張るぞ!
心の中で自分自身に気合を入れ、教室の中へと入った。
「……あ、おはよう依麻」
「あ、お、おはよ!」
隣の席の子——新賀真枝に話しかけられる。
真枝とは最初全然話さなかったが、GW前にメアドを交換してから関わりを持つようになった。
入学してから誰とも話さず、一人行動が多かった私にも関わらず、真枝は『依麻と友達になりたかったんだ』と笑顔で言ってくれた優しい子だ。
その優しさに弱い私は、真枝と仲のいい薄田加耶、里見麻里、そして澄長あゆと話すことが多くなった。
友達も増えてきたし、順調な滑り出しです、水城依麻。
しかし、問題は——……。
「……っう、」
ハチの問題だ。
ハチの方を見ると、ハチもこっちを振り向いた為ばっちりと目が合ってしまった。
や、やばっ!
思わず、瞬時に逸らしちゃったけど——。
なんか、やっぱり気まずい。
ハチを直視できない。
だけど水城依麻、ここで逃げてどうする。
もう一度意を決してハチの方を見るが——。
ハチもやはりこちらを見ていて、逸らされたと思いきや三度見された。
二度見ならともかく——。
三 度 見 !?
「……はぁ、」
本日、二度目の溜息。
どうやら私は、一度意識しちゃうとなかなか抜け出せないタイプみたいです。
**
ハチを変に意識しちゃいながらも、なんとかGW明け一日目は終了し——。
私は家でのんきにお菓子を食べながら、ごろごろとしていた。
そんな間は、完全にハチの事を忘れきっていた。
しかし、
「……む」
メールの着信音が鳴り響き、私はすぐさま携帯に手を伸ばした。
自分でも何故、こんなに早く携帯を手に取ったかはわからない。
しかし無意識のうちに、もうメールボックスを開いて内容を確認していた。
from.ハチ
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明日の時間割教えて?
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ハチからの、メール。
安心して、思わず嬉しくなる。
……って、なんで喜んでんの? 自分。
自分の気持ちにツッコミをいれ、時間割を打ったメールを送った。
すると、すぐメールが返ってきた。
from.ハチ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
サンキューb
じゃあね
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
短い、素っ気ない文章。
そしてすぐ終わるメールに、少しだけ胸が痛くなった。
やっぱり、ハチは傷付いたはずだよね。
私ばっかり意識して、ハチを避けるようにしちゃって——。
こんなんじゃ、駄目だよね。
ハチの好意を無駄にしちゃいけない。
明日から、普通に接せれるように頑張ろう。
頑張って、みよう。
私はそう決意し、ゆっくりと携帯を閉じた。