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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.73 )
- 日時: 2013/05/17 18:56
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: ghfUqmwe)
- 参照: パソコン重いぃぃいいい!?←
第三十六話『突然の訪問』
『正しい道』なんて、
どれか選んだ後じゃないと分からない。
**
誠と別れた次の日——。
六月十一日。
八ヶ月の間の気持ちが空っぽになった今、何もすることなく家でひたすらボーッとしていた。
すると、私の心を読み取るように——。
携帯が、鳴り響いた。
「……え」
私は携帯に浮かぶ文字を見て、呆然とした。
『林田 誠』
——私は躊躇いながらも、深呼吸をして電話に出た。
「……もしもし?」
≪もしもし≫
紛れもない、林田誠だ。
なんだろう、何の用事があって電話を——?
「……え、と、どうしたの……?」
≪——会える?≫
「へ?」
誠の真剣な口調に対し、拍子抜けた私の声。
誠は気にせず、話を続けた。
≪返したいものあるから≫
「え、あ……はぁ……」
≪今から依麻の家に行くわ≫
「え、家?」
≪……とりあえず、今まだ駅だからまた後で連絡するわ≫
誠はそう言い放つと、私の返事も聞かずに電話を切った。
家に来る……って、急すぎる。
そんな急なところも、昔は大好きだったんだけどな。
**
家に来ると言われ、かれこれ一時間。
連絡来ないし、何をしてるのだろうか……。
そう思いながらメールをすることにした。
from.依麻
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今どこ?
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from.誠
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もうすぐ着く
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そんな、短い短文メール。
私は携帯を閉じ、ポケットに入れて家を出た。
「寒っ」
外に出ると、雨が降っていた。
寒いし、冷たいし——……。
誠、大丈夫かなぁ……。
そう思いながらも、家の前で誠が来るのを待つことにした。
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