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Re: *愛迷華* (実話) ( No.77 )
日時: 2013/05/27 18:14
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3JMHQnkb)
参照: こんがらがる高2の春。笑

第三十八話『口だけのLOVE』


せめて、共用したあの時を忘れないでほしい。


**


あの雨の日の出来事から、数日が絶った。
六月十五日。
ちょうど高校ではテスト最終日であり、なんとかテストを終えた私は世良と遊んでいた。
世良とはあの夜以来なので、改めてあの時のお礼を言い——。


「これからは誠が困っていたら、誠の事助けてあげてね」


そう頼んだ。
世良は軽く目を見開いた後、小さく笑う。


「誠と依麻、同じこと言ってる」
「え?」


そこからの流れで、思い出したかのように世良がこう呟いた。


「誠から連絡来たんだよね、依麻のことで」


世良は、携帯を取りだして私に画面を見せてきてくれた。


from.誠
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依麻と縁切るわ。
別れた奴と関わりたくないし、いいよね?

依麻のことよろしく頼むよ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


私は見せてもらったメールを見つめて、固まった。
世良は気にせずに話を続ける。


「聞いたところによると、誠もう彼女欲しいとか言ってるらしいよ」
「え、」
「で、りなさんを狙ってるらしい」
「え、りなさんって——……あの?」
「うん、あのりなさん」


りなさんこと、利奈子さん。
一歳年上で、学校に行ってなくて凄く可愛い女の子。
同時に男絡みが激しいと有名で、誠も仲の良い人である。


「なんか、メールしたり連絡取りまくってるみたいだよ〜」


世良の言葉を聞き、私は小さく溜息をつく。


『依麻で最後の恋にする』
『依麻が振り向くまで待ってる』


誠の言葉が、浮かんでは消える。
その言葉は、結局口だけだったって事か。
最後まで口だけかぁ……。
悲しい。


本当は少しだけ、期待してた。
自分から別れを告げたのに、結局弱いのは私だった。
いっぱい傷つけたのに、私の事そこまで本気で好きでいてくれたのかなって——。


嬉しかったんだ、本当は。


だけど、世良の話が本当なら。
全部口だけって事だ。
りなさんとのことで前に喧嘩したこともあったし、色々とあった。
もしかしたらその時から、もう私達はすれ違ってたのかもね。


あの時からりなさんが好きだったなら——……。


なんで、私なんかと付き合ったの?