コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.79 )
- 日時: 2013/05/20 17:11
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: HK6OImIM)
- 参照: こんがらがる高2の春。笑
第三十九話『あやふやな気持ち』
「まこと」フォルダから、「大切な思い出へと変わって何日が経っただろう。
その「大切な思い出」には、もう何も残っていなかった。
保護していた数々のものが、こんなにもあっさり消えるなんて。
君の心の中から「私」が消えるように。
「君」が心の中から消えるように、私の中も何かが変わった。
**
六月も終盤に入り、もうすぐ七月がやってくる。
ぽっかりと穴の開いたような平凡な毎日の繰り返しで、一つ。
新しい情報が入った。
「依麻、聞いて」
突然麻里がこう言い、私に近づいた。
そして、私に一通の手紙を差し出す。
「……手紙?」
「翔斗から小八君ニュース、聞いたよ」
「うぇ!?」
麻里の突然の言葉に、私は思わず変な声を上げてしまう。
ハチニュースって……。
ちなみに翔斗こと谷山翔斗は、同じクラスで現在麻里と付き合っている男子だ。
翔斗は確かにハチと仲良いけれど——……。
「とりあえず見て」
「う、うん」
麻里に言われ、とりあえず手紙を開く。
そこには麻里の綺麗な文字がぎっしりと並んでいた。
『小八君ニュース!
小八君の気持ち…
依麻がよくわからないらしいです!
よくわからない理由は
小八君と里田君と戸沢君と翔斗で
依麻の話をしてたらしい…
その時に始めて
小八君が依麻のことを『可愛い』って言ったんだって
すると戸沢君が、
『可愛くないよ!!
絶対裏でなにかあるしょ!
多分変なこととかしてるしょ!』
って言ったらしい!!
それから小八君の気持ちが
あやふやになっちゃって……
メールでしかやりとりしてないから
遊んでみないとわからない……
ってところで止まってる!!
だからみんなで遊びたいね、ってなってる!
で
今の状態らしいよぉ!
翔斗からの
小八君ニュース終わりますっ!
ちなみに……
遊ぶ日はまだ決まってないらしい』
麻里の手紙を読み終わり、私は麻里の顔と手紙を交互に見る。
そしてもう一度落ち着いて考える。
ハチはこんな私のことを可愛いって言ってくれた。
わざわざ褒めてくれた。
だけど戸沢という男子が、私を裏で変な事してる奴だと言った。
そこからハチの気持ちがわからなくなった……?
戸 沢 こ の 野 郎 !!
「戸沢君酷いよね、依麻」
「え、裏で変な事ってなんなの、私何もしてないけど……」
「意味わかんないよね」
麻里は小さく溜息をつく。
というか、大体なんで私の話になったのか……。
色々な疑問点が浮かぶ中、とりあえずこれだけは確定した。
やっぱり私はハチが好きで、そしてこの気持ちは今更遅いのだと。