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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.8 )
- 日時: 2012/10/20 00:43
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: MT1OWC7F)
第0話
(魔法のiらんど掲載の中学編ダイジェストみたいなものなので、これを見てから1話を見たら少しわかりやすくなると思います)
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「……明日から、高校一年生かぁ……」
私はハンガーにかけてある真新しい制服を見て、溜息混じりに呟いた。
明日から、どんな事が待っているのだろうか。
「誠から連絡来ないし……。誠も明日の準備してるのかな?」
真新しいスクールバッグに明日の道具を詰めながら、ふとそんな事を思う。
私、水城依麻が林田誠君と付き合ったのは、十月十日。
『私が誠の事、好きって言ったらどうする?』
今思い返せば照れくさいけれど、肌寒いけどそれを忘れる位の暖かい出来事だった。
本日の日付は、四月八日。
誠と付き合って、もうすぐ六か月だ。
「早いなぁ……」
この六か月の間、色んなことがあった。
すっかり誠の色に染められ、毎日のように二人で遊んで——。
プリクラだって撮ったし、デートもした。
自転車で二人乗りして一緒に帰ったり、手をつないだりと色んな事をした。
ずっと憧れてた人並みのカップルがするような事は、ある程度経験できたはずだ。
クリスマス、初もうで。
色んな事があったけど、無事に一緒に中学も卒業出来たし——。
ほとんどの行事を、一緒に過ごすことが出来た。
毎日平凡な事だけど、私にとってそれは大きな幸せだ。
何度も喧嘩もしたし、別れかけたし、倦怠期だって来た。
だけどそれを乗り越えて、今の私と誠がいる。
明日から私は鬼陽高校、誠は電車に乗って鶴北高校と高校は離れるけれども——。
遠距離でも、今までと変わらないと思っていた。
不安はあったけれど、誠も私も変わらないって信じていた。
——そう、この時までは強く思っていたんだ。
新しい季節が近づくごとに迷いの華が咲き始めていたのを、私はまだ知らない。
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