コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *愛迷華* (実話) ( No.99 )
- 日時: 2013/05/25 20:40
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: KZLToguX)
- 参照: ぼよよよん
第五十話『逃げ道』
『水城さんが好きだから諦めて』
孝仁のメールの文章が、頭の中でぐるぐる回る。
これは、嘘だ。
そんなわけ、ない。
from.依麻
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ちょいまって、
え?(笑)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ひたすら混乱。
今なら間に合う、嘘告白でしたって言ってくれ。
そう願っていると、すぐに返事が来た。
from.孝仁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
知ってるだろ^^
俺は水城さんが好きなんだ^V^
付き合ってくれないかな?
気持ちの整理は付き合いながら二人でしよ^皿^笑
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
嘘、じゃない……?
いやいやいや、でも、でも——……。
——もう、これ以上の逃げ道は思いつかなかった。
from.依麻
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ありがとう><
ちょっと考えさせてもらってもいい?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
だから、こんな返事を送ってしまった。
いわゆる『返事保留』——……。
真枝の事を傷つけたくないなら、振るのが正解だ。
だけど孝仁の事を、振れなかった。
だから、
from.孝仁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
いいよ^^
ゆっくり考えて
決まったらメールして^0^
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私は、ずるい方向に逃げた。
from.依麻
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
わかったよ^^♪
じっくり考えるから
時間かかるかもだけど、
必ず返事出すから
それまで待っててね!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「……ずるい、私……」
私はそう呟き、携帯を握りしめた。
何が、傷つけたくない——だよ。
これじゃあ、やっぱり真枝を傷つけるじゃないか。
そう思っていると、
from.孝仁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ひとつだけ言っとく
水城さんだけが好きだから
それじゃあ、またね
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
孝仁から、こんな返事が来た。
『水城さんだけが好きだから』
この言葉が、今の私には本当に嬉しくて——……。
だけど、複雑で。
私の頬には、いつの間にか涙が伝っていた。
……泣いても、状況なんて変わらない。
最低なのは、私。
逃げたのは、私なのに。