「我武者らに生きて何が悪いの」 薄汚れた青の隙間から侵食する、赤銅色の錆が所々目立つ歩道橋。傷だらけの手摺りを強く握り締める、細くやや大きな右手。沈んでいく太陽を追いかけるように冷たい風が、少女の焦げ茶色の長い髪を靡かせた。「——も」 眼下を冷徹な双眸で睨みつけ、少女は吐き捨てる。「何も知らないくせに」