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- Re: 【準・恋愛小説】ラムダ君と有意義な生活 ( No.10 )
- 日時: 2012/11/16 00:02
- 名前: 粉雪百合 (ID: gJM7cnIU)
γ「別に、俺には無理しなくていいんだぜ?」
不意に、ガンマ君は本から顔を上げて言った
γ「どうせここにはウチの学校の奴なんていねぇんだし、学級委員長が敬語じゃなくても気にもしねぇよ」
・・・。
無理してるように見えているのか・・・
私は苦笑をこぼす
θ「・・・いいんです。このままで」
そういうと、いつもは騒がしいぐらいの彼は黙ったまま頷いた
λ「お前、そんなに、イメージが大事なのかよ」
横から掛けられた問いに、私は声を詰まらせた
答えることが、出来なかった
しびれたみたいに頭が真っ白になって何も思い浮かばない
私は爪が食い込むほど強く手を握り、シカトを決め込むことしか出来なかった
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無言のまま自然と帰路に立った私たちは、なんというわけでもなく、ただ帰る方向が一緒だっただけのように、微妙な距離を保っていた
左右それぞれにいる彼らは、どこか居心地の悪そうな顔をしながら俯いている
またしても、不意に声がかかる
γ「そういえば、漫画を描いているらしいけど、何描いてんだ?」
θ「恋愛漫画ですよー」
はぁ、と深いため息と共にガンマ君にそう返す
そう言ったら何てことは無い。やはり、『見せてくれ』と彼も即行で返してきた
θ「そんなこと言ったって、ガンマ君とかが見て面白いものじゃないですよ。かわいい女の子なんて存在しないですし。物語中99.9パーセントも男が占めている、ある意味奇抜な漫画ですよ?」
λ「そういえば、『双花螺旋譚』って男同士の恋愛って感じだったモンね・・・」
θ「2,3話までは恋愛物かどうかすらわかんなかったけどね」
γ「・・・1000人中1人だけ女子・・・すげぇ逆ハーレム・・・・・・」
θ「・・・・・・・・・この人の脳内ってどうなってるんですか・・・?」
不意に呟かれた台詞に、私は思わずそう聞き返してしまった
黙ったと思ったらそんなこと考えてたのか。
λ「しょうがないよコイツ宇宙人だし。」
γ「はぁ!?お前みたいな変態に言われたくねぇな!」
λ「大丈夫だ。俺は二次元にしか発情しねぇ。」
γ「駄目だ・・・コイツ終わってる!!そこは胸張って言うことじゃねぇ!」
λ「お前は宇宙人にしか発情しねぇもんな。電波系だもんな。」
γ「発情言うな女子の前だ!俺をその議論に巻き込むな!!電波系はよく分からん!!」
θ「えぇー、電波系はおいしいと思いますよ。ネタとして。」
γ「え、シータ嬢までソッチの人なの!?俺じゃもうツッコミが追いつかねぇよ・・・!?」
おかしいな。普段はガンマ君がボケ役なのに。
ケタケタと乾いた声で笑うラムダ君に、ガンマ君は眉を吊り上げる
いつもと逆の立場になっているので、ガンマ君は少しやり辛そうである
λ「俺は、素のシータ嬢も面白いと思うよ。」
ラムダ君はひとしきり笑ったところでこう言った
λ「正直、どんな人か知らないけどね。少なくとも俺らよりはマシだろ」
γ「俺らって言っただろ今。俺も含めただろ!」
λ「俺らでも浮いてないんだからさ、シータ嬢も素でいいんじゃないかな」
γ「おい、無視すんな!」
λ「ま、無理強いはしないけどね・・・ってうるせぇよ頑真!黙れ電波!!」
γ「無視してんじゃねぇ変態ちび!!怒りの鉄槌をくらえ!!」
ガンマファイナルショット!!とわけの分からない掛け声とともに、飛び蹴りを繰り出すガンマ君
ラムダ君はソレを腹部に受け、仰向けに倒れこむ
ゴッ、とコンクリートに後頭部を打ち付けたらしき音がして、ラムダ君は絶句しながら転げまわる。
よし、視線が痛いから他人のふりをしよう。←大通りにて。