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- Re: 泣き虫ヴィーナス!−兄弟喧嘩は他所でやれ!!− ( No.3 )
- 日時: 2012/11/18 02:19
- 名前: 粉雪百合 (ID: gJM7cnIU)
1話『天界のオトシモノ!』
西暦20XX年 地球
ここは地球上のとある都市、『星之森市』。
星之森随一を誇る進学男子校、『星晃学園高等学校』という巨大教育設備の一端、『青星寮』。
俺は、その最上階501号室に住んでいた。
名前は阿守阿大地(あすあだいち)。2−D在籍。
至って普通の神話ヲタクである。
今日はせっかくの休日だがコレといってやることが無かったので、一週間分の洗濯を先ほど済ませたのだった。
そんな俺は今、究極に戸惑っていた。
阿「・・・誰?」
ベランダに出ようと戸を開けた瞬間、目に飛び込んで来たのは鮮やかな金色だった。
よくよく見てみると、ソレは人の形をしており、そしてその人物が女性であることに気づき、戸惑うことになった。
もう一度言う、ここは進学男子校の寮、しかも5階である。
何をどうやったら、金髪美女を5階のベランダに出現させられるのだ?
空から降ってきたタイプのヒロインかコイツは?
金「・・・ぅん・・・?」
そんなことを考えていると、その少女がむくりと起き上がった
シャラシャラと布の擦れる音と共に、金糸が風になびく
金「・・・ここ、どこ・・・?」
ぽぉっとした寝起きの声が、そう呟く
彼女はきょろきょろと視線を巡らせ、俺のところで止まった。
その瞬間、かっ!と目を見開いたかと思うとベランダの隅まで一瞬で後ずさる
金「だ、だ、だだ、だっ誰ですかっ!?!?」
阿「いやソレ俺の台詞だから。」
即行で突っ込む。
おびえた小動物のように隅にうずくまった少女は頭を抱えながら言う
金「あれ私さっきまでマーズと一緒に・・・あれれ?ジューもいないし、え?」
阿「・・・・・・混乱していることだけは分かった。とりあえずお前は人の家のベランダで何やってんだ」
金「ひっ!?え、あ、あの、その、何って言われても私どうしてここにいるのかサッパリ・・・」
ますます縮こまりながら流暢な日本語で答える金髪少女
自分がどうして男子校の寮の5階のベランダで寝ていたのか分からないだと・・・?
俺としてはその状況のほうが意味が分からない。
阿「・・・とりあえずお前何者だ?5階のベランダなんかに突然現れやがって・・・まさか、幽霊か!?」
金「ご、ごめんなさい、幽霊じゃないです。神様です」
阿「そうか神様か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?神様!?」
聞き返すと少女は今にも泣きそうな声で言った
愛「はい、ごめんなさい、神様です・・・。ヴィーナス・・・じゃなくてアプロ・・・でもなくて、えっと、あ、愛神美衣名(あいがみびいな)って名乗れって言われました」
阿「なんで?本名は?」
即座に聞き返してしまった。
少女は涙目になったまま、震える声で言う
愛「ごめんなさい・・・発音できないんです。ややこしいからジューに美衣名って言えって・・・」
どんなだよ発音できない名前。
(自称)神様らしいこの少女は、声が震えるのを抑えるためか、小声でぼそぼそと言う
愛「ごめんなさい、みんな探してきます。お世話になりました。すいませんでした・・・」
そして彼女は、
ベランダから地面へと、ダイブしたのだった。