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Re: 泣き虫ヴィーナス!−兄弟喧嘩は他所でやれ!!−キャラ募集中! ( No.8 )
日時: 2012/12/21 03:11
名前: 粉雪百合 (ID: wAE.Fy2c)

4話『やっと見つけたぞ・・・!』



 太陽系の神様たちが、天界一を賭けて、この星之森市で喧嘩します。


大「・・・そんなの素直に『はいそうですか。』なんて言えねぇよ」

充「なんで?」

 現在天界一の地位を誇っている、ジュピターこと充は、ニコニコと楽しげに笑いながらコーヒーをすすっていた

大「・・・・・・また人ん家で勝手に何を・・・!!」

 ガラステーブルでちゃぶ台返しをお見舞いしてやろうと思ったところ、「まぁまぁ、」と、ぬいぐるみ少年ガニメデに諌められる
 ホントにいきなり現れて何がしたいんだこいつら。
 それでいて一番面倒くさそうなのがコイツ、

美「あの、ジュー。その・・・喧嘩って、私も参加しなきゃ・・・ダメ?」

 現れてから始終目に涙を絶やさない泣き虫美少女、美衣名である
 どうやらコイツも神様らしいのだが、泣いてばかりでいまいちパッとしない
 5階から飛び降りて無事だったのだから、少なくとも人間じゃないのは確かだけど・・・

大「何言ってるんだ。君は金星、ヴィーナスなんだから、もちろん参加しなきゃ。それに今のところ僕と並んで一番候補なんだし」

美「や、ヤダよ!私、喧嘩なんてそんな荒っぽいこと・・・!!・・・痛そうだし・・・」

 ここでちらりと俺の顔を伺う金髪少女
 いや、そんな目で見られましても、俺、一応全くこの話に関係ないからね?

充「審判君、いくら美衣名が可愛いからって、ズルはダメだからね!?公平に判断してよ!?」

大「だーかーらー!俺は審判なんてやりませんって!天界に帰れ!!神様の仕事しろ!!」

充「最近の若者は信仰心が皆無だからやることないの。これぐらいのイベントがなきゃ、永久の人生退屈でしょうが!!」

大「知るかぁぁぁあぁぁあああああ!!」

 ちゃぶ台返し決行。
 (おそらく)一張羅のローマ風衣装がコーヒー色に染まりますが、自業自得じゃボケェ。

充「わー、大地君って怪力ー。地球代表で喧嘩のほう参加してみる?」

 それなのに神様、相変わらず超爽やか笑顔
 懲りてない・・・!!

大「俺を巻き込むな!一般人だ!!今日は一体何なんだ・・・!!」

 悲観し、頭を抱え込む俺を見て、ふう、と充は深いため息をついた
 お?何だ?帰るのか!?←満面の笑み
 そんな想いとは裏腹に、彼は俺の肩に手を置くと、さらりと言い放った

充「ま、運命なんてこんなもんだよ。僕が決めてるんだけど。」

大「・・・・・・本気で帰ってくれ・・・!!!」

 なんかちょっと敵う気がしない。

美「あ、大地・・・くん・・・?」

 美衣名がさっき以上に距離をとりながら声をかけてきた
 そんなに俺って怖いか?さすがに落ち込むぞ。

大「・・・何?」

 美衣名につられてか、少し涙目のまま尋ねる


美「外が、ちょっと・・・少し・・・?騒がしい気がする・・・」


+++++++++++++++++++++++++


 ドアを開けた瞬間の俺の気持ちを、誰が理解できようか。

  ばたん

大「俺は何も見なかった・・・!コレは夢だ・・・!!ドアの前には何もいない・・・!そんな変な集団はいない・・・!!!」

 俺は深呼吸をして、もう一度ドアを開けた

?「こんにちわー・・・;」

大「・・・|||」

 ざっと見ただけで分かる
 コイツら、後ろの2人と同類のヤツだ・・・!!

 先頭に立って俺に挨拶してきたのは白いスーツに雪を積もらせた男。
 後ろにニット帽にサンダルという格好のヤツと、何故かびしょ濡れの巨漢
 さらにその後ろに野菜のかごを抱えた男と、真っ赤な髪と剣を携えている美形が立っていた

充「おー、やっと来たか。」

 俺はびくりと肩を震わせて振り返る
 充が、輝かんばかりの笑顔で立っていた

白服「やっと見つけたぞ・・・!この野郎め!!この私をなんだと思ってるんだ!北極なんぞに放置しよって!!」

 白スーツがそんな充に吼える
 北極・・・?だから雪?

赤髪「羽羅乃はまだマシだよ。オレ、日本語しか話せないようにされたのに、中国に置いていかれたんだよ?」

ニット「僕はモンゴルだけど?それにしたって北極のほうが酷いでしょ?凍え死ぬよ。僕ら死なないけど」

巨漢「・・・俺は、太平洋」

野菜「すごくいなかー。どこかわからないー」

赤髪「だから星度、そんなに濡れてたのか・・・。まさか泳いできたとか?」

巨漢「・・・。(こくり)」

 玄関先で何の話をしてるんだコイツら。やっぱり充の仲間か・・・!!
 ってことは、コレが言ってた残りの太陽系神様?

充「そんなところで世間話してないで入ったら?汚い家だけど。」

大「俺ん家なんですけどねぇ・・・!?」

 充の態度にこめかみを震わせながら、俺は道をあける
 家の前でこんな変人どもをにたむろされてる状況なんて、真っ平だからな。

白服「邪魔するぞ、小僧。」

巨漢「・・・お邪魔します」

 ぞろぞろと変な男たちがさほど広くない部屋になだれ込む
 巨漢の男から発せられる潮の香りが、空気を占領した

充「と、言うわけで、大地君。これが太陽系の兄弟たち。みんな、この人が審判の阿守阿大地君」

大「だから引き受けてないって!」

 充はそんな変人どもになにやら勝手に俺を紹介した
 それをどう受け止めたのか、神様たちは親しみやすい微笑みを浮かべる

羽「紹介に預かった。私は天井羽羅乃(あまいうらの)。天王星、ウラノスの化身だ。こっちのニット帽は牧商季(まきしょうき)」

商「マーキュリー。水星だ。よろしく。隣のでかいのがネプチューン」

星「・・・海田星度(かいだせいど)。よろしくお願いします」

真「オレは篝火真亜豆(かがりびまあず)。名前とかこの赤髪の通り火星、マーズだ」

農「さたのうと(佐多農土)ー。どせいだよー」

大「よ、よろしく・・・」

 一気に自己紹介されても覚えられないけど。
 俺はただただ、その存在感に気圧されるだけだった