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Re: ─゜+。:会長様専用!:。+゜─【参照1700感謝】 ( No.198 )
日時: 2014/12/07 14:58
名前: *~*優奈*~* ◆wte2Ew3rbc (ID: nrbjfzgl)

+/第128話/+【日差しのしわざ】

しばらく、会長の進むがままに引っ張られていく。

「!」

ぱっ、と掴まれていた腕が解放された。
見ると、手首が少し赤く腫れている。

  ・・・な、なんて力なんだ・・・

 ・・・えっと、ここは・・・


「・・・わっ!」

再び腕を引かれ、近くの壁際まで連れて行かれる。
気が付くと、壁を背にして立たされていた。

私の顔の横で壁に片手をついた会長。
真っ黒な力強い瞳で、動揺する私の視線をとらえた。

「か、会ちょ・・・」

「やっと捕まえた」

まっすぐに私を見つめる会長。
その視線から、そらすことができない。


   ・・・それよりも、この体勢・・・

      ・・・ち、近い・・・


「織原のおかげで、Cブロックの集まりに参加できなかった」

「うっ・・・」

  は、ハチマキ盗んだせいか・・・

ただでさえ会長に迷惑をかけている日々なのに、
私はまた・・・


「さあ、話してもらおうか」

「・・・ご、ごめんなさい・・・」

私は握りしめていたハチマキを差し出す。
何も考えないで焦って、逃げて、私は本当にバカだ。

「は、ハチマキを盗んだのは・・・」

「そうじゃない」

「・・・?」

「さっきの話の続きだ」


  ・・・そうだ。

   私はこれを望んでいたのに・・・

    話がしたかったのに・・・

  なんでこんなにも、逃げ腰なんだろう。


怖い。不安。恥ずかしい。
いろんな感情が押し寄せて、私の心ををぐちゃぐちゃにする。


「『俺なら嫌じゃない』って、どういうことか」

「・・・」

「全部聞けるまで、逃がさないからな」


見上げると、近くに会長の顔が見える。
はっきり、きっと会長にも私が見えているんだろう。

  こんなにも、真っ赤な私の顔が。


「・・・と、とりあえず、離れ・・・」

「離れない」

即答で返ってくる会長の言葉。
きっとこれ以上拒んでも、会長には勝てないんだろう・・・

「・・・」

この体勢を諦めた私は、静かに口を開いた。

「・・・さっきも言った通りです・・・」

グラウンドから聞こえるにぎやかな声を、音を全部、
私の心臓の音が邪魔をする。

  自分の声も、聞こえにくくなる。


  ・・・好き、

      好き。

 気が付いたら、こんなにも好き・・・


「ずっと悲しかったんです・・・。
 会長が、目に見えて私を避けていたから・・・」

「・・・」

「私は、何も嫌じゃないのに」


   顔が熱いのは

     日差しのせい?


「だ、だから、もう誤解しないでください・・・っ」


   日に焼けて私は

    私の顔は

     こんなにも真っ赤なんだよね・・・?