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- Re: ドタバタ行進曲【B組編】第二章更新中! ( No.149 )
- 日時: 2012/12/25 07:40
- 名前: さくら ◆G87qGs20TY (ID: lL8RIxSj)
四話目
ってことで前回のあらすじ———by芽呂。
「英語の授業でクレアと有栖が暴走しちゃって先生の大切な木刀をふっとばしちゃったってことだおー。てへぺろなのら。」
…なんかイライラするんだよね、こいつのコメント。
分かる?なんかさ、なんかこう…あぁもう!!説明出来ない、このイライラ!!余計にイライラする!!
落ち着け自分。落ち着け。
とにかく、この最悪の状況から抜け出すにはどうすればいいか考えるために周りを見渡した。周りに役に立ちそうなもの…なし。
と思ったら————あった!!
私の目線の先には斗呂井湯斗がいる。かなりオロオロしてるように見えるがこいつがB組の最後の頼みの綱となる。
私がまともにクレアハントが出来る人で思いつくのは自分と海野君、そして湯斗だけだからだ。オロオロが何だ!!クレアハント出来る奴は大歓迎だ!!
さっきからのオロオロが理解出来ない人にご説明。
湯斗は最強だけど、普段はいつもオロオロしていてトロい。運動会の徒競走ではいつもビリだし、速いとこなんて滅多に見ない。けど強いのだ。
柔道、空手に合気道。武道は特に得意としていて頼りになる。
「湯斗、大丈夫?今、力出せる?」
私が聞くと湯斗は慌てて首を縦に振った。
なんだか湯斗の顔が赤い気もするが、まぁいっか。
「あ、その、俺は大丈夫だから———先生の木刀、探しに行ってよ。」
オロオロが徐々に抜けていっているのか自分の事を『僕』じゃなくて『俺』に変わっている。『俺』バージョンの湯斗はかっこいいと思う。
「うん、分かった。湯斗も気をつけてね。」
「うぃ。」
完全な『俺』バージョンになった湯斗は私の顔を見ずにそっけなく返事をしてクレアに立ち向かい始めた。
————でもね、湯斗。私、知ってるんだよ。湯斗が照れてる事もそれを見られたくない事も。だからね、私もつい照れちゃうんだ。
照れまくりの私は照れる原因から離れて木刀探しを始めた。先生はもう脱力しちゃって何度も同じ言葉を繰り返している。
「拙者の木刀が…父上から受け継いだ大切な木刀が…。」
こういうときは侍口調になる先生。かなり可哀想にも見える。
とにかく先生の大切な木刀を探さなくちゃ。
でもどこに———?
すると安藤梨絵が東に指を指して「あっちに飛んで行った」と言った。
…ってことは西か!!!
ん?なんで西かって?それはね、みんな。梨絵が嘘つきだからだよ。
嘘をつくのが大好きな梨絵は毎回毎回嘘をつく。だから東って言われれば本当の方向は真逆の西って事になるの。最初はイライラしたけどもう慣れた。だって嘘しかつかないってことは真逆が本当の事だもん。クレアよりは分かりやすいと思うけど?
*
西にある校庭に出ると田中丸夫が手を振って待っていた。
「川崎サンっ!!ありました、木刀ありましたよッ!!」
田中はB組で唯一、私の事を『川崎サン』と呼ぶ。
正直言ってこいつのくそ真面目な所とか自分のポイントアップに力を入れている所とかは好きじゃない。なんかイラつくんだよね、なんて言えないんだけど。
それでも田中の手には先生の大切にしている木刀が。————よかったぁ。
「ありがと、田中!!ちょっと私急ぐから!!」
そういって彼から木刀を奪い取り教室に急いだ。
田中が気落ちしているのは言うまでもない。
(だってみんなのヒーローになりたくて木刀を探したのにいきなり奪われちゃったんだもんね。)
*
教室に戻ると恐ろしい光景。
クレアはKOしてる。
きっと湯斗が上手い事やってくれたんだろう。もう『俺』バージョンの湯斗はいない。少し残念。けどお礼を言わなくちゃね。
何故か分からないがクレアの周りをウロウロする大きな生き物。———これは、最強大悟(さいきょうだいご)!!見た目が異常にでかくてイカツイくせに性格は———。
「あ、まんま。おかえりなしゃーい。」
そう、大悟は性格赤ちゃんなのだ。下手したらヤンキーと見間違えるその外見は性格と結びつかない。まさに変人。
クレアの周りをウロウロ(というかハイハイ)してるのはただ単に興味があるからだろう。
赤ちゃんか!!
———あ、そっか。中身は赤ちゃんか。あぁもうややこしい。
ふと時計を見ると授業終了まで15分を指していた。
先生、あと15分何しますか?