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- Re: ドタバタ行進曲【B組編】第二章完結!今年よろしくね! ( No.170 )
- 日時: 2013/01/02 07:33
- 名前: さくら ◆G87qGs20TY (ID: Id2v7qO.)
一話目
戦闘開始の合図、チャイムが鳴る。
こういう時、人間というものは時間が長く感じるのだ。
ひどくつまらない時、
とても嫌いな時、
人間はとても時間が長く感じる。
逆に楽しいときは凄く短く感じるのだ。
————……なんて。こんな事、ない?
私は今まさにそんな感じ。
着席しておとなしく前を見る。教卓の前にはあの問題教師、馬場凛香が立っている。あーぁ、時間が長く感じるよ……。
「皆さん、おっはー」
先生が死語全開の挨拶をかます。
『おっはー』って使う人まだ居たんだ……。
「はいっ、じゃあ返事がとうもろこし(返事が来ない)だから授業始めるねー」
……『返事がとうもろこし』、私には未知の世界だ。しかも経験したくもないタイプの世界。
「っじゃぁ、教科書のP.34を開いて———」
みんなが一斉に教科書を開く音が聞こえる。
それが聞こえるほど静かってことをお気づきだろうか?
B組は今、今年最高の最低気温。
たとえ秋人のギャグをかましても、ここまで寒くはならないだろう。
そこへ脱出しようと図った者がいる。
「先生、俺トイレ行くから」
先生に行ってもいいか訪ねるのではなく、『宣言』した拓磨だ。
そしてそれを放っておけない肇。
「先生——、私も行ってくる!!」
これを見て先生、微笑。
そして一言。
「ねぇ、ねぇ。あの二人ってやっぱりデキてるのかしら……」
その目はなんだか、というかすっごく嬉しそうだ。
BL大好き、腐女子系の先生にとって『男子同士』っていうのは嬉しさこの上ない事だもんね……。
そんな嬉しそうな顔をされると「知らんがな!!!!!!!」って叫びたくなるけど、ここは我慢。
アイツに関わると厄介だ。だから突っ込まない方がいい。
そうみんなも思っているのだろう、
今、B組は凄く静かだ。さっきの英語の授業のうるささが恋しくなるくらいだ。(ならないけど)
永遠と続く時間の様に感じて私はついうつらうつらしてしまって、気がつくとこんな空想が頭に浮かんでいた。
前から気になっていた、湯斗と一緒に笑っているシーン。
私も凄く楽しそうで、湯斗も楽しく笑っているように見える。
そこに馬場先生が乱入して来て
「この子はいいBLの材料になるから」
と湯斗を連れ去ってしまう。
————っは!!
いけない、寝てた。
それにしても恐ろしい夢だったなぁ……想像したくもない。
ふと顔を上げると、目の前には馬場先生の結構張ったお腹が。
……や、ばい。
「私の授業中に寝るなんていい度胸じゃないの」
「え、あ、すみません」
私は完全に思考停止。こいつにまとわりつかれると後がない。
「———…おぬしもなかなかのワルじゃのぅ」
先生は笑いながら死語を連発。
だけどおかげでこれ以上は突っ込まれなさそうだ。今日は機嫌がいいのだろう。
(さっき、拓磨と肇のコンビを見たからに違いない)
ほっとしていると後ろからツンツンと、誰かに突かれる、
「———……ユーちゃん、大丈夫だった?」
車野留歩だ。決して美人とはいえないが『かわいい』といえるその顔は私の様子を上目遣いでのぞいてくる。
これをかわいいと言えない人が居るだろうか?
でもこの子はなかなかのバス酔者で遠足の時に一人、『気持ち悪い……』と言っていたのを覚えてる。あれはもう、見た事もないような酔い方だったと思っている。
「ん、大丈夫だよ」
私はよく分からない返事の仕方をして前を向いた。
これ以上、馬場先生に突っ込まれたくないからだ。
でもそんな心配はいらなかったみたいだ。
先生は久陰佳透美と言い争っている(?)からだ。佳透美は何を言っても話さない、というか無視する子だ。
それでも遥華曰く、きちんと話しているようで無視している訳ではないんだとか。
でもその独特の話し方遥華にしか通じる事がない。だから喋りかけられても何を言ってるのか分からない→無視している、と勘違いしてしまうのだ。
そんな佳透美と(遥華の通訳付き)で討論しているのだから先生もおそらくお疲れなのだろう。
———……そのままHPなくなってのたれ死んじゃえ。