ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

二話目

「○△◎□＠＊＃●!!!!!」

なんて言ってるか分かる人、挙手。———いないよね。
私にもいまいち、佳透美が言ってる事は分からない。

なんか怒っている感じは聞き取れるけど、他は何言ってるかさっぱり。

まぁ、怒って当然か。
佳透美には今、変人教師の馬場先生が絡んできているんだから。

先生の言い分はこうだ。
「久陰さん、あなたもうちょっと容姿に気をつけたら?」
「前髪、長すぎない?」
「せっかく肌がきれいなんだから———……」

佳透美が私だったらね、殴りたくなるね。
『今言う必要あるか、このクソババぁ!! 暇なら授業しろよ!!!』
ってね。
佳透美は今も討論を繰り返している。



遥華の通訳では、こんな感じ。
さっきの「久陰さん、あなたもうちょっと容姿に気をつけたら?」の返事は、
「そうですね、これから気をつけます」

「前髪、長すぎない?」のいちゃもんには、
「切ろう切ろうって思っても忘れてしまうんです」

「せっかく肌がきれいなんだから———……」そんなお世辞には、
「ありがとうございます」


皆さんもお気付きだろう。
————きっと遥華は佳透美の回答を独自に変換しているという事を。

だって、あんなに佳透美は怖い顔してるのに言ってる事が優しすぎる。

私の想像だけど、「久陰さん、あなたもうちょっと容姿に気をつけたら?」っていう質問には絶対、
『おめぇの腹の方が気をつけた方がいいんじゃねぇか?』
って言ってる気がする。(何度も言います、予想です)

佳透美の顔が———……怖い。

<20分経過>
ようやく馬場先生と、佳透美の言い争いが終わったのは文字通り、20分後だった。

みんな好き勝手、おしゃべりを始めていた頃で、佳透美と馬場先生の声がしなくなるとみんなも黙った。
きっと馬場先生に絡まれたくないのだろう、
B組はどんなに変人でも、この馬場先生のしつこい討論は受け付けないらしい。
それは普通の人間と一緒という事になる。

授業はまだまだ続きます。