コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ドタバタ行進曲【B組編】 ( No.2 )
- 日時: 2012/11/27 15:01
- 名前: さくら (ID: uqhwXtKf)
一話目
このクラスで一番真面目な奴は誰か?
そんなの私に決まってるじゃないか。
至って普通な中学2年生の私は真面目な方じゃない。別に普通。
なんども言うけど普通。
——————…このクラスでは…ね。
まず、このクラスのメンバーが変。
例えば吉村芽呂(よしむらめろ)。名前まで変わっているが、そんなことは置いといて。
芽呂はいつも着ぐるみ。
昨日はマイメロの着ぐるみ。別にギャルとか、目立つ訳じゃない。
本人は、『可愛いから。』と言い張っている。
しかも問題はその行動がOKな校則。————…ほんと、何なんだこの学校は。
他には、清水肇。
こいつは見た目は普通。
なのに、性格はおねぇって言うやつ。
でもこの教室では人気者で、別に嫌われてない。————…ほんと何なんだこのクラス。
今日もみんないつも通り変人で、芽呂はチョッパーの着ぐるみ。
肇はいつも通り、クラスのイケメン担当の橋本拓磨といちゃいちゃ。
(しようと努力している訳で、拓磨は全力で拒否)
「たぁ〜くちゃん」
「っ、お前なぁ…いい加減にしろよ。俺は今、『熱血!!最強野球部』の最終巻読んでるんだよっ!!!!」
『熱血!!最強野球部』とは拓磨の好きな名前通りの熱血マンガ。いつも読んでるため、あまりしゃべらない担当でもある。
「ねぇねぇ、今日のチョッパーのピンク、ラッキーカラーなんだよー芽呂 。」
「えー、ほんとー??ラッキー」
今、芽呂のチョッパーの着ぐるみの色がどうたらこうたらって言ったのは『自称:占い師』の鶴崎遥華(つるさきはるか)。
いつもの占い師の衣装(?)がお似合いです。
——————…ほんと、どうなってんだこの学校は!!!!!!!
言わないだけでこのクラスにはもっと変人が居る。
そう。言わないだけ。
言わないって事は、このクラスの私以外は全員変人ってこと。
一つ、褒めるとこのクラスには同じような奴が一人もいない。
金子みすゞでいう、
『みんな違ってみんないい。』
なのだが。
みんな違いすぎだ。
いい加減シャウトするのにも疲れた。
————…今日も変人達との一日が始まる。
『はぁ??遠足??』
クラスのホームルームで寝てた私は、芽呂に聞いて驚いた。
(もちろん、ホームルームで寝てたのは変人達と付き合うための体力を保つためだ。
決して変人だからではない。)
「そうだよー、にゃんにゃん聞いてなかったの??」
芽呂は着ぐるみの角の部分をいじりながら言った。こいつは私の事を『にゃんにゃん』と呼ぶ。
理由は知らないがいつの間に、ってやつだ。
…もちろん気に入っていない。
「だーかーらー、にゃんにゃん呼びはやめろってば。」
「いいじゃーん。にゃんにゃん?」
あーぁもう、こいつのペースは私を狂わす。
「とりあえず!!遠足って何だよ。」
「なんかねー明日、山に行くらしいよ芽呂達。」
自分の事を芽呂と言ったこいつは(着ぐるみの)角いじりをやめた。
「————…っは???明日?!」
「ねー楽しみだなぁー」
「だなー…っておい!!明日ってかなり急じゃないか!!」
「善はダッシュっていうじゃない。」
————…『善は急げ』と言いたいのか。こいつは。
「それにねー、楽しみな日があるとそれまでの日がすごく長く感じるでしょ??それがなくて芽呂はいいと思うけどなぁー。」
ペースが狂う。
やっぱり芽呂は自分の世界に浸っているんだ。
「とりあえず!!!!どうするんだ、私たちは!!このクラスはどうなるんだよ、遠足なんて行って!!」
「えー、大丈夫だおー。」
「お前は…。それに芽呂、お前まさか着ぐるみで行くのか??」
「そんなの決まってるじゃない。」
こいつにも常識が一応あるみたいだ。
着ぐるみで山登りなんて行くわけないじゃないか。私は何を心配してるんだ。
「————…着ぐるみで行くに決まってるでしょ??」
芽呂は顔を『当たり前でしょ?』と言うかのように笑った。
…。
コメントするのも疲れた。
「なに着ていこっかなぁ〜?」
ここにも変人が一人、肇————…。
あのおねぇの私服は見た事がないが、嫌な予感がするとしか言いようがない。
私と同時に拓磨が嫌な顔をした。
「なぁに??たくちゃん、私の私服楽しみなの???」
肇が顔を赤くする。
————…悪いがキモいとしか感じなかった。
「ちげぇーし。」
「嘘ついちゃってー。さすがたくちゃん、私のだ・ん・な・さ・ま」
キモい。
「ば、ばーか。俺は遠足に『熱血!!最強野球部』をどうやって全巻持っていくか考えてんだよ!!!少しは黙ってくれ!!」
「怒ってるたくちゃんも素敵—!!!!」
鼻血を出している肇を直視できない。
あぁ、もう何なんだこのクラスは!!!!
私は遠足の事など忘れてしまって、そのまま体力維持のため眠りについた。