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朝、目が覚めるとミルクティーの香りが部屋に漂っていた。
少しシナモンの効いた香り、嫌いじゃない。

けど気分は憂鬱となってしまう。何故って?
それはこの香りの原因ともいえる『アイツ』が家に来ているという事だからだ。

起きると案の定、アイツは椅子に座ってミルクティーを飲んでいた。

「なんでここに居るんだよ!!」
私は思いっきりにらみを効かせながら叫んでいたが、そんなのはアイツに効かない。
するとアイツ———芽呂は、のんびりした様子で「あ、おはおー」と返してきた。

その瞬間一気に力が抜ける、
————ったく。こいつは人の怒りを消すというか、怒る力を抜き取る力がある気がする。
だって国民的キャラ、ガチャピンの着ぐるみを着ているのだ。どんなに怖いヤクザだって、ガチャピンに怒る事は出来ないだろう。
飽きれるしかない気持ちを理解してはくれないだろうか?

しばらくすると、芽呂は立ち上がって一声あげた。これが事件の始まりである。
————「にゃんにゃん、殺人事件だお」