コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ドタバタ行進曲【B組編】顔ぼしゅーさん、開催中! ( No.312 )
- 日時: 2013/01/21 10:11
- 名前: さくら ◆G87qGs20TY (ID: mJdGQN/J)
- 参照: http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakura0919/
三話目
いつもの下校時刻。
いつもの通学路。
いつもの坂道。
だけど、今日はどこか違った。
それはきっと、『こいつら』が居るからだろう。
チョコ作りのメンバーはあまりにも多かった。
芽呂、遥華、心愛……B組女子全員だ。
『結構みんなチョコあげるんだな』と思いつつ、私の家へと足を進めた。
途中で見たカップルを皆が羨ましそうに見たのは、やっぱりバレンタイン前日だからだろうか。前にも言った様な気がするが、人は楽しい時は時間を短く感じる。
————その逆に、楽しくないときは長く感じるのだ。
つまり神様は、私たちが都合のいい風に行動されるのが嫌なのだ。
私は家に着きたくなかった。
なのにいつもは30分くらいかかる学校と家の距離は10分くらいに感じた。
「へー、ここがにゃんにゃんちかぁー」
芽呂は何を納得しているのか、ただただ頷いた。
「まぁ、普通の家よね」
瑠璃愛も頷く。
「そうかしら。まぁ、『THE庶民の家』って感じね」
マリーは納得したように頷く。
……あの、私、あなた達に『家鑑定』をしてもらうために呼んだんじゃないんだけど。
私はチョコ作るために呼んだんだけど?!
って言う暇もなく、みんなは私の家のインターホンを押す。
……いや、私鍵持ってるんだけど。
私はインターホンの周りに群がる女子達を置いて、家の扉に鍵を差し込んだ。
『ガチャ』という音と共に、私は一気に緊張感を覚えた。
————とにかく、こいつらのチョコをさっさと作って速急に帰ってもらわねば!
でも、そんなに簡単じゃない事を思い知らされる。
誰も、チョコを作る材料(板チョコなど)を持ってきていなかったのだ。
つまり、材料がない=作れないという事だ。
それでお使い係をかって出たのは、津樹 郁実(つじゅ いくみ)と留歩、梨絵だ。
郁実はうさぎのみーちゃんとクマのクーちゃんのぬいぐるみをいつも持ってる女の子。
芽呂と同類と考えてくれれば想像しやすいだろう。
けど、唯一芽呂と違うところ、
それは————かなりの毒舌だと言う事だ。
一つ一つのコメントはまさに『マ○コ・デラックス』と言った感じだろう。
それでもぬいぐるみで腹話術している姿はおかしくも、可愛い。
そんな3人がお使いに出ている間、私たちは何を作るかを決める事に。
レシピ本とにらめっこしながら、何をつくるか皆で決める。
「やっぱ、簡単に型に流し込むとか?」
「チョコカップケーキとかは?」
「え、じゃあトリュフはどうするの?」
まさに悪戦苦闘の作戦会議。
そんな会議に飽きた人たち(主に芽呂や梨音)は私のWiiで遊び始めた。
あの軽い感じのBGMはきっとスーパーマ○オだろう。
『ちゃらっちゃちゃらっちゃちゃ』と、流れるゲームオーバーな音が耳に障る。
————なかなか帰ってくれなさそうだ……。