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Re: ドタバタ行進曲【B組編】顔ぼしゅーさん、開催中! ( No.321 )
日時: 2013/01/22 11:07
名前: さくら ◆G87qGs20TY (ID: S7/.WdDv)
参照: http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakura0919/

四話目

向こうからマリオチックな音が続く。

ここでは、『とりあえず適当に作ろうか』という意見がまとまって、お使い係待ち。


しばらくすると、聞こえてきた『ピーンポーン』という軽快な音。
お使い係達が帰って来た。


「「ただいまー!!」」

「「「おかえりー!!」」」


私は一人、『ここは君らの家とちゃうよ?』なんて思ってた。



廊下に響くスキップな音。———梨絵かな?
ってか梨絵、今日学校来てたっけ。チョコ作りにだけは参加するんだな。


キッチンに姿を現した、3人のお使い係は何やら大荷物を抱えていた。
———……そんなに頼んだっけ?

「何をそんなに買ったのよ?」
瑠璃愛が私の心を代弁して言ってくれる。

私は『うんうん』と言うかの様に頷いた。


「え、何ってチョコ買ってきた」
郁実がギロリと瑠璃愛を睨んでから、みーちゃんとクーちゃんに目を向ける。

「そうだよねぇ、みーちゃん、クーちゃん」
「<そうだねぇ、郁実ちゃん>」

何やら一人でおしゃべりを始める様子。
めんどくさくなるので、気にしない事にしよう。


「あのね、ユーちゃん。私たち、ちゃんとチョコ買ってきたよ」
留歩が私の制服の裾を引っ張って、上目遣いでのぞいてきた。

「じゃあ、なんでこんなに重そうなの?」
私が聞くと、留歩は少し頷いて、

「ほら」
と手に持っていたスーパーの袋の中身を見せてきた。


中には30枚くらいの板チョコに牛乳が1本。それに生クリームが2本にお菓子がいっぱい。
————こいつらをどうしてお使い係に任せたのか、後悔した。


「なにかダメだった?」
不安そうに私を覗き込んでいる留歩を見ると、何も言えなくなって私はただ頷いた。



「とにかく作ろうか」
私はそれしか言えず、瑠璃愛も同じ様子だった。




いやいや、プラス思考に考えれば
これだけ材料でチョコを作るのは意外と楽しいかもしれない。

それにチョコをもらえない可哀想な男子も登場しないだろう、

それはそれでいい事だ。



ふと去年のバレンタインを思い出す。
ショットガン所持系男子、神崎翔かんざきしょう
大柄な関西弁少年の又木ヤツバ(またぎやつば)はチョコをもらえなかったとか言って、嘆いたのを覚えている。あの時、地味に可哀想だなとか思ったっけ。


そいつらも、泣いて喜ぶんじゃないか?
今回のバレンタインはなかなか、レアな物になりそうだ。



————ふと我に返る。

あぁ、そっか。
どうにかして、このデンジャラス☆クッキングを終わらせなきゃ……。