コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ドタバタ行進曲【B組編】着ぐるみ探偵2、更新! ( No.430 )
- 日時: 2013/02/16 07:50
- 名前: さくら ◆G87qGs20TY (ID: fLPAPacp)
- 参照: http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakura0919/
<2>
浜町の駅につくと、赤い眼鏡の女の子がこちらに向かって手を振っていた。
———どうやら、あれが依頼者の『中岡さん』らしい。
「あ、はじめまして!! 中岡結衣菜です!! 芽呂さんと優さんですよね?」
彼女は透き通るような明るい声でいうものだから、私は素直に頷き笑った。
「やっぱり!! 着ぐるみが特徴だって言ってましたしね」
彼女はチラリと芽呂を見て微笑む。
彼女には前もって電話で連絡しておいたのだ。
そして『芽呂は着ぐるみを着ているから』、と言っておいたのだ。こういう時は着ぐるみって便利だと思う。
「あっ、こんな所で立ち話もなんなんで……とりあえずお茶でもしませんか?」
中岡さんがにこりと微笑んで私たちに尋ねる。「お気に入りの喫茶店が近くにあるんです」
「よろこんで、行こっにゃんにゃん」
芽呂は目を輝かしてこっちを見た。
私も頷く。
この話し上手な少女に連れられてやって来た喫茶店「奥道」は歩いて5分の場所にあった。
「「カランコロン」」と軽快な音と共に、「よっ、結衣菜ちゃん!!」と声がした。
どうやらここのマスター(?)と中岡さんは仲が良いらしい。
喫茶店には20代前半だろうか、若そうなマスター以外に人はいなかった。
(はっきり言うと客はいない、という事だ)
コーヒーの匂いがする。
窓際の席につくと、中岡さんは口を開いた。
「あ、あの。お手紙に書いた事なんですけど……」
「……そぉだね」
「陽菜、まだ見つからないんです」
「そうにゃんだ……、あっ」
芽呂が口を閉じる、マスターが湯気が立ったマグカップを3つ持って来てくれた。
中には温かいレモネード。薄い黄色が、目を引きつける。
マスターにお礼をいい、口にしたレモネードはほんのりはちみつの味がしてすごくおいしかった。
一息つくた時、私は口を開いた。
「ねぇ、中岡さん。……その、神隠しがあった日の事……教えてくれないかな?」
———……まずは状況理解。捜査の基本だ。
「あ、はい。……では説明しますね」