PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.6 )
- 日時: 2012/12/17 12:30
- 名前: 香里ー奈 (ID: 6buVeY9I)
「ふう……完成、と」
瑠佐奈は図書館のカウンターで、入荷された本をチェックして、ジャンル別にわけていた。
意外に簡単そうに見えるが、これが大変なのだ。それにこの図書館は売れ行きがいいわけではない。だからいつでも入荷していいわけではないのだ。すべては時と売れ行きに相談だ。
(拓磨もここの仕事に慣れ始めたよね……)
先月ここに就職した四賀拓磨は、着々と仕事を進めていく。
長身で力強そうな外見とはよそに、真面目だった。
「さーて……そろそろ帰るか」
入荷本は明日本棚に置けばいい。瑠佐奈は運搬用のワゴンに本を乗せたあと、鞄を掴みカウンターを出ようとした。
しかし、何か人影を発見した。
瑠佐奈は本棚の影にさっと隠れた。
(泥棒?いや、こんなへんぴな所に泥棒なんて……)
目を凝らしてよく見ると、それは人間ではないようだ。
瑠佐奈はほっと、胸を撫で下ろした。
しかし、そいつは人間でも動物でもなかったのだ。
(あれは……スライム!?)
いや、何かの間違いだ。と、思い首を軽く横に振った。
しかし、そこには確かにいるのだ。
瑠璃色の体のぶよぶよした物体が。今、目の前に。
瑠佐奈は一瞬だけわくわくしたが、すぐに現実に戻った。
こんな所にいるわけないのだ。スライムは平面世界の動物だ。
スライムはなりふり構わずそこらへんを飛び回った。
スライムの液体が本につかなければいいのだけど。
「どうすんだよ、あんなモンスター……」
思わず声が出てしまった。スライムがこちらを振り返る。
「しまっ……!」
スライムはこちらに向かってきた。ゲームとはまた違う、恐怖。
本棚の角を曲がったりしたが、スライムはまだ追いかけてくる。
でも、まだまだ走り続けた。
ドンッ!!
本棚の角を曲がったとき、大きな体にぶつかった。
(また、新手!?)
怯えながら上を見上げると———
PR