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第二話 ストーカー注意報 ( No.12 )
日時: 2012/12/16 00:08
名前: 雪達磨 ◆1x97e8uwoc (ID: MZtdagnx)

目の前には動揺した様子のストーカーさん。
横には珍しく驚いてる莉緒。後ろから瑠璃のため息、蓮の含み笑い、愛理の困惑した声。


さてどうしてこうなった。




「なんか、すごい図だよな」
「何がだ」

今は、ストーカーをストーカーしている莉緒のあとをつけてストーカーしている。

「すごいややこしいよ!」

外にいればストーカーも出てくるかもしれないと。
路地裏から少し出た所に莉緒、その後ろで瑠璃達が待機している。

「ここまでする必要あるか?」
「あるでしょ! 莉緒が心配じゃないの?」
「いや、だってな……」

言いかけた言葉は、瑠璃がやめろと視線を送ってきたので中断した。

この作戦は愛理が提案したもので、莉緒のことを心配しているようだった。
「どっちかっていうとストーカーが心配だな」
「……莉緒に聞こえるだろう」
「へいへい」


「ねえねえ、一人? 遊ばない?」
「いえ、待ち合わせしてるんです」
「えー、そっか。残念」


「今のでナンパ5人目。ほんと流石っていうか、ねぇ」
まだはじめて二十分しか経っていないというのに、莉緒は五人のナンパを受けていた。
しつこいようなら綺羅が追い払うつもりだったのだが、莉緒も手馴れているようで上手にあしらっていた。

「なかなか来ないねー」
「やっぱ莉緒の勘違いだったりしてな」
馬鹿にするように笑えば、瑠璃が少し顔を上げて。


「そうでもないみたいだぞ」

その言葉によって、やっと綺羅達が気配に気付く。
前を見て莉緒を確認すれば、表情は見えないが背中に手を置き、指を二本立てている。
どうやら気づいているようだ。