コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第二話 ストーカー注意報 ( No.17 )
- 日時: 2013/01/03 14:01
- 名前: 雪達磨 ◆1x97e8uwoc (ID: e4Mlzqwp)
「綺羅? 久しぶりだな。あと流空って呼ぶな」
「え、ああ、悪い。……ソル。何してんだよこんなとこで」
「女性のためなら俺はどこへでも駆けつける!」
「いや、そうじゃなくてだな」
現れたのは、長身で金髪。軽い感じのする少年だった。
莉緒他、綺羅以外のメンバーはいまいち状況が読み込めていないようだった。
いつもならここで莉緒がふざけはじめ、場が和むのだが、珍しく沈黙している。
「……知り合い、なのか?」
そんな様子を見て、瑠璃が切り出す。
「あー、中学時代の友達でな」
「初めまして、一ノ瀬流空。ソルとお呼びください」
ソル、の部分を強く強調して言った。どうやら流空と呼ばれるのは嫌らしい。
流空、るうく、確かに一般ではあまり聞かない名前。DQNネームというやつだろうか。
空に、流れるの流で空流です。と彼は付け足した。
それにしても先ほどから、女性に対してのみ紳士的な態度をとっているように見える。
(一ノ瀬、流空……?)
「というかお前が何やってるんだ綺羅。こんな可愛らしい女性に囲まれて。逆ハーレム満喫中か」
「非リア充満喫中だ」
「いいな、逆ハーレム! 羨ましいぞこのくそ綺羅!」
「お前話聞いてるか」
「待て、一ノ瀬流空ってあの……雷狼龍の?」
「あ、ご存知だったんですか」
初対面の相手に話しかけられる緊張のせいで、ソルから目を逸らしつつ、瑠璃が話す。
「ああ。私の通っていた中学校でも有名でな……」
——雷狼龍。
喧嘩組織のようなもので、その強さ故に知名度は高く。
近くの中学校であればほとんどの人に知られていた。
特にその組織の団長である一ノ瀬流空の強さは、当時見た人が逃げ出すほどだった。
「名前の厨二っぽさ、ネーミングセンスの無さが印象的で覚えていたが」
「れん毛のリーダーがよくネーミングセンスとか言えるな。モンハンに謝れモンハンに」
そこでソルが、それにしても、と莉緒を凝視したあと手を握る。
「お?」
「莉緒さんと言いましたか。艶のある茶髪、細く滑らかな手足。大きな膨らみを持つ胸。どれをとってもとても」
「そろそろ黙れソル」
「にゃは、ありがとうだおー」
「そしてこちらの」
「ひっ!?」
今度は瑠璃の手を取って、話し出す。
「絡まることを知らない黒髪、華奢な身体。小ぶりながら美しい胸。とても」
「いや黙れ」