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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 第一話 ようこそれん毛同盟へ! ( No.2 )
- 日時: 2013/01/16 19:20
- 名前: 雪達磨 ◆1x97e8uwoc (ID: TtFtbd5q)
第一話 ようこそれん毛同盟へ!
「愛理、一緒に帰らない?」
「わー、ごめんっ! 今日は急いでるんだ」
「今日は、じゃなくて今日も、でしょ。もー、付き合い悪いなあ」
笑顔でそう言ってくれる友人に、悪いなあ。とは思いつつ。また明日、と手を振って、今日もいつもの場所へ急いだ。
彼らのことを思えば、学校では重かったはずの足も軽くなっていて。
「愛理だよ! みんないるーっ?」
ガラッ、と扉を開ければ、いつもの二人がいた。
「おー、愛理ちゃんこんにちはだお」
最初に挨拶したのは莉緒で、いつも通りの笑顔で愛理を歓迎する。
莉緒は綺麗系の美人で、少し独特な口調の人だった。
変わっているといえばそうなのだが。
「どうも。君も暇だな。毎日ここに来るなんて」
「嬉しいくせにー、嬉しいくせにー」
「少し黙ってくれるか」
顔はパソコンに向け、凄まじい速さのタイピングをしながらそう言うのは瑠璃。
こちらも口調が少し独特で、硬派な喋り方だ。
「パソコン? 何してるの?」
「れん毛同盟のサイト作りだお!」
「え、ほんとに?」
覗いてみれば、大きく『れん毛同盟』と書いてあるページ。
周りはシンプルな感じで、丁寧な紹介文が書かれていた。
「へー、すごい」
「あれだおね、瑠璃に作ってもらってるんだけど、これ地味だよね」
「君に任せると、どこかの出会い系サイトみたいになりそうだろう」
「瑠璃は僕をなんだと思ってるんだお」
「いいと思うよ! すごいなあ、本格的……!」
「ああ。だが、ここで問題なのがだな……」
「?」
「何も活動してない気がするのだが、気のせいか?」
そこで私達はしばし固まった。
「してないぬ」
「……してないね」
「いやー、別にただのコミュニティサイトでいいんじゃないかぬ?」
「だねー」
「……だな」
すると、また扉が開く音がして、私達は振り向いた。
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