コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第三話 年末study ( No.21 )
日時: 2013/01/16 19:35
名前: 雪達磨 ◆1x97e8uwoc (ID: TtFtbd5q)

「じゃ、僕も帰ろうかぬ! 愛理ちゃん一緒に帰ろ!」
「え、ああ、うん! でも莉緒って家の方向が」
「いいのいいのー!」

その様子を見たソルも、何かを感じたのか莉緒達としていた勉強用の道具を片付け帰る準備をしだす。

「ほほう、空気が読めるね流空君」
「ソルとお呼びください。いえ、女性だけで帰らせるわけにはいかないので」

続々とメンバーが帰っていく。蓮も用事があるから、と帰り、残ったのは瑠璃と綺羅だけだった。
この帰り方は明らかにわざとらしく、どうやら気を使ったようだが自分と瑠璃を二人きりにする理由が見つからない。勉強を進めろ、という意味だろうか。

「……ふむ。何か変に気を使わせてしまったようだな」
「みたいだなー。お前って一人暮らしだっけ?」
「ああ。そういえばハゲもだったか」
「おう」
少し気まずい空気になる。いつもは周りが騒がしいため、こんな雰囲気になることはないのだが。
勉強、続けるかと瑠璃がペンを持ったので綺羅もそうすることにした。

「ハゲ、英語は得意なのだな」
しばらくして綺羅が今日勉強したノートを見て、瑠璃が言った。とても、得意なのだな、と言われるような状態ではなく問題の半分以上は間違っているが、それでも他教科と比べれば比較的できている方だった。

「まあ単語覚えて書くだけだしな」
「そうでもないと思うが……。じゃあ、ハゲを英語で?」
「baldness」
「!?」


テレビでも付けるか、と綺羅がリモコンに手を伸ばし、スイッチを押す。
すると、画面は大きな「5」の文字で埋め尽くされていた。

「は、カウントダウン……?」
4、3、2、1、と数字は小さくなり、そしてHappyNewYearの文字が画面を綺麗に彩った。

「……うわあ、すごい呆気なく年越ししたなー」
「毎年割とこんな感じだけどな」
テレビからは「明けましておめでとう」等と言う言葉が次々と聞こえてきた。

「んじゃ、まー、明けましておめでと」
「対してめでたくもないが年が明けたようなので今年も宜しく」
「普通に言えよ。……あ、でも」

そこで一旦言葉を切って、
「今年も宜しくしてくれるんだな」
「……都合の良い解釈だな」

ツンデレってやつ?と弄る体制になれば、横目で睨まれたのでやめておいた。




Happy-New-Year!!