コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

第三話 年末study ( No.22 )
日時: 2013/01/04 12:57
名前: 雪達磨 ◆1x97e8uwoc (ID: fMPELWLk)

「……、で?」
「で? ってなんだお」

莉緒は思わず聞き返したが、その言葉に含まれる意味は大体わかっていた。
並んで歩くのは、愛理が急いで帰ったため莉緒、ソル、蓮の三人。

「なんで僕達、あそこから出てきたのかな? ってこと」
「蓮君は別に出てこなくてもよかったのにー」
「出てこなきゃいけないような雰囲気にしたでしょ」

軽く謝りながら苦笑する。笑いから漏れた息は白く、消えていくそれに少し見とれた。

「おい、無礼な口を聞くな。莉緒さんに失礼だろ」
「……はいはい」
先ほどから、蓮が何か発する度に文句を言うソル。蓮はそれを面倒くさく感じているようで、適当に返していた。ソルはまたそれが気に入らないようで、舌打ちをしていたが。

「相性悪いぬ、君達」
「一方的に嫌われてるんだよ」

莉緒は手をわざとらしく叩き、さて、と切り出した。

「これからどうする? 今日は大晦日! まだまだ夜は長」
「帰る」
「蓮君あてんしょんぷりいず!!」
「それ意味違う」
短く返しながら、蓮は自分が莉緒を苦手だということに、何となく気付いた。

「おい、莉緒さんのせっかくのご好意になんだお前は」
「じゃあ一緒に居ていいの?」
「空気読め。俺と莉緒さんを二人きりにしろ」
「どうしろと」
「きゃー! 僕のために争わないでー!」

ソルが時計を見て、あと一時間で年を越すことに気付く。その時計を莉緒も覗き込んだ。
「じゃ、うち来る?」
「……は」

勿論行くとソルが言うのに対し、蓮は嫌そうだった。
いいから、と蓮の手を引く莉緒に、この人は本当に苦手だと蓮は思った。

「あ、今のうちに言っとくけど、今年もよろしくだお!」
「一時間よろしく?」
「まじだ! 来年もよろしくだったぬ!」





Happy-New-Year!!